ブランディングにおいて 「色」が重要な理由

コンテンツマーケティング

米サイトAlltopにブランディングにおける「色」の重要性について書かれた、トムソン・ドーソンの示唆的な記事があるので紹介したい。

「色」というのは、消費者がブランドに対して最初に知覚するものであり、その色に対する知覚こそが、ブランドに愛着を抱く起点になるというのである。

それではまず、ブランドと色の関係を脳科学の視点からみていこう。

「色」の知覚は感情に結びつく

私たち人間は、色を識別することにより感情的な反応を起こす。

その反応は、多くの思考や記憶、場所や人、出来事への愛着を喚起するのだという。つまり、「色」は私たちに深い次元で影響を与えているのだ。

「色」は様々な波長の光を私たちの脳が知覚しているだけの単なる反応とも言えるが、私たちはその反応に、いわば「勝手に」文化的な文脈に沿って意味付けをしたり、愛着を抱いたりしているのだ。

私たちが色に対して感じる効果を三原色を例にとって見てみよう。

赤は波長が長く、脳の反応を遅らせる効果を持つ。そのため、誘惑やセックスの表象としても使われる。一方で、青は波長が短く、呼吸や脈拍、血圧を落ち着ける効果を持つ。同様に、黄色は明るく容易に注目を集めることができるため、標識などによく使われるのだという。

また、国や地域によって「色」に対する愛着や意味付けも当然異なってくる。こうした私たちが抱く特定の色への印象や愛着の持ちようは、市場におけるブランドアイデンティティーの形成に、当然ながら大きく関わってくるというわけだ。

安心を表す?「青」というブランドカラー

ここで具体例を1つ考えてみたい。

近年、もはやインフラ化したともいえる種々のSNSサービス、例えばFacebookやTwitter、FoursquareやTumblr、そして古くはMyspaceなども入るだろうが、これらのwebサービスのブランドカラーは共通して青系である。

これには何か理由があるのだろうか。

これは、「インフラ」というキーワードからもすんなりと一つの仮説が立つ。

例えば、「セーフティネット」である保険会社に青いブランドカラーの企業が多いとよく言われるように、web上のSNSサービスも日常的に情報をやりとりするサービスであることから、青の持つ安定した穏やかなイメージと相性がよいと考えることができる。

ブランドカラーの選定の際に重要な3つのポイント

これまで書いてきたように、ブランドカラーは消費者の愛着を生み出す一番最初のきっかけとなる。

また、ブランドカラーの決定は単なる選択ではなく、以後ブランドの全ての局面につきまとう問題なのだ。(全ての商品やサービスのデザインの基本となる色だろう。)

これらを踏まえた上で、ドーソンはブランドに合ったブランドカラーの選択において重要な3つの要素を提示している。最後に紹介しておこう。

1)ターゲット層となる消費者がどんな感情を欲しているかを理解すること。
2)ブランドの原型となるイメージに合った「色」を選ぶこと。
3)国や文化によって、「色」に対するイメージが異なることを理解する。

これからブランディングに取り組む方、それから現在の自社のブランドイメージの受容のされ方に満足がいかないという方は、今一度ブランドカラーを白紙に戻して考え直してみるのはどうだろうか。

参考元:The Importance Of Color In Brand Strategy
Photo: Some rights reserved by spaceodissey, flickr

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