ブランディングはマーケティング戦略のひとつとして欠かせないものですが、抽象的な概念だけに「何から手を付ければいいのか分からない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
ブランディングに携わる方なら、一度は手にとっておきたい本を厳選してご紹介します。初心者から現場の実務家、経営層まで、それぞれのレベルに合わせて選んでいます。理解が早く進むよう、難易度の低い順に並べていますので、ぜひ参考にしてみてください。
■初心者におすすめ
【1】選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方
著者:佐藤圭一
ブランドリサーチからブランドの言語化、浸透までがわかりやすくまとめられており、ブランド推進に携わる方は、ほぼこの一冊で基礎が身につくでしょう。
【2】ザ・ブランド・マーケティング 「なぜみんなあのブランドが好きなのか」をロジカルする
著者:スコット・ベドベリ
ブランディングをマーケティングの基本と位置づけ、現代マーケティングの基礎を理解するのに最適。スターバックスやナイキのマーケティング責任者による解説は説得力抜群です。
【3】デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール
著者:山口義宏
デジタル時代に求められるブランディングの基本から、ブランド戦略の施策への落とし込み方、顧客体験の考え方まで詳しく解説。これからのブランディングを学ぶなら必読の一冊。
■実務家必読
【4】ブランディング ビジネスの高収益を実現する極意
著者:中村正道
ブランディングと経営戦略の密接な関係性について理解が深まります。特にブランディングのKPIについて、納得感の高い指標が示されているのが特徴です。
【5】ブランド戦略論
著者:田中洋
ブランドの定義から歴史、経営戦略としてのブランド、グローバル戦略まで幅広く網羅。ブランドに関する研究からの引用も多く、マネージャークラスは必読の一冊。
【6】デザインノート premium 佐藤可士和
著者:デザインノート編集部
理論からもう一歩踏み込んで、トップクリエイターの発想法に触れられます。ブランドのコアな部分からどう考えているのかがわかり、ブランドデザインの参考になります。
【7】体験デザインブランディング コトの時代の、モノの価値の作り方
著者:室井淳司
「コト」の時代に求められる、ブランド体験のデザイン手法を豊富な事例とともに解説。顧客体験の視点からブランディングを見直したい方におすすめ。
■経営層におすすめ
【8】ブランド戦略シナリオ コンテキスト・ブランディング
著者:阿久津聡, 石田茂
ブランドを「文脈」の中で必要とされる存在にする考え方が学べます。事業責任者が押さえておきたいブランド戦略の要諦が詰まっています。
【9】コトラーのB2Bブランドマネジメント
著者:フィリップ・コトラー
BtoB企業のブランディングについて具体的に解説。やや難解な部分もありますが、示唆に富む内容です。BtoBブランディングに取り組む経営層必読の書。
【10】実務家ブランド論
著者:片山義丈
ダイキン工業の元ブランド担当者による実務的な視点でまとめられた一冊。華やかな事例だけでは語れない、現場目線のブランディングの極意が詰まっています。
【11】戦略的ブランド経営
著者:岡田裕幸
インターブランド社の元コンサルタントによる、経営戦略としてのブランディングの考え方を詳解。ブランド戦略策定の作業フローなど、実践的な内容も豊富。
■ブランド思考を深めたい方へ
【12】Branding 本質から学ぶ付加価値の意味
著者:関野吉記
変化の激しい現代社会において、ブランディングの本質と重要性を問い直す一冊。「なぜ必要とされるのか」という根源的な問いから、ブランドの付加価値を探ります。
【13】ストーリーで伝えるブランド
著者:デービッド・アーカー, 阿久津聡
「シグネチャーストーリー」の重要性を説き、ブランドを象徴するストーリーの作り方を解説。ストーリー思考でブランドを捉え直したい方におすすめ。
【14】ブランド論 無形の差別化を作る20の基本原則
著者:デービッド・アーカー
ブランディングの世界的権威による、ブランド構築のための20の基本原則を解説。ブランドエクイティやアイデンティティなど、ブランディングの核心に触れられます。
■番外編
【15】ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる 著者:宮村岳志 2020年発売の比較的新しい本ですが、内容的には【1】の『選ばれ続ける必然』の方がより充実しているため、番外編としました。
【16】パワー・ブランドの本質 著者:片平秀貴 1999年刊行のやや古い本ですが、ナイキやハーレーダビッドソンなど個別ブランドの事例が興味深い内容。若い世代には馴染みにくいかもしれません。
以上、ブランディングについて学ぶのにおすすめの本を16冊ご紹介しました。 初心者向けには、マーケティングの視点からブランディングを捉えた本や、デジタル時代のブランド戦略を解説した本もピックアップ。ブランド思考をさらに深めたい方向けには、ブランディングの本質に迫る書籍や、ストーリー思考の重要性を説く一冊もセレクトしました。
自分のレベルと目的に合わせて選んでみてください。体系的に学ぶことで、ブランド構築・推進のスキルが飛躍的に高まるはずです。ブランディングへの理解を深め、強いブランドを構築していく一助となれば幸いです。
ブランディングについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
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コーヒーブレイクコラム:ブランディングを本で学ぶための5つの心構え
せっかくブランディングの本を読むなら、最大限に学びを得たいですよね。ここでは、ブランディングを本で効果的に学ぶための5つの心構えをご紹介します。
- 実践を意識する
ブランディングの理論を学ぶことは大切ですが、それだけでは不十分。常に「自社にどう活かせるか」を意識しながら読み進めましょう。事例も他人事ではなく、自社の参考にできないか考えてみてください。 - 複数の視点を取り入れる
ブランディングは、経営、マーケティング、デザインなど、様々な領域に関わります。一冊だけでなく、異なる視点から書かれた本を読むことで、多角的な理解が深まります。 - 先入観にとらわれない
「うちの業界では当てはまらない」といった先入観は禁物。業種業態を越えて参考になる考え方はたくさんあります。固定観念を捨て、オープンマインドで臨みましょう。 - ディスカッションする
本で得た学びを、同僚や上司と討議してみてください。自分とは違う意見や解釈に触れることで、理解がさらに深まります。ブランディングは組織全体で取り組むものだからこそ、対話が重要なのです。 - アウトプットする
読書で得た知識は、アウトプットすることで初めて自分のものになります。社内勉強会で発表したり、ブログにまとめたりしてみましょう。知識を言語化することで、ブランディング力が一段と高まるはずです。
以上の5つを意識しながらブランディングの本を読み進めれば、きっと学びは倍増するはず。ただ読むだけではなく、能動的に知識を吸収していく姿勢が大切です。 さあ、コーヒーを片手に、ブランディングの学びに dive しましょう!