内容別で分かりやすい!ブランディングを学ぶための本12選

コンテンツマーケティング
ブランディングはマーケティング戦略のひとつとして欠かせないものですが、抽象的な概念だけに「何から手を付ければいいのか分からない」と感じている人も多いのではないでしょうか。本稿では、そんなブランディングについて学ぶための本を「基礎編」「戦略・テクニック編」「事例編」の3つに分けてご紹介します。
【基礎編】 ブランディングの基礎を学ぶための本
1. 選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方 (佐藤圭一(著)、講談社)
ブランディングについて学ぶ際に、まず最初に読んでいただきたい本です。ブランドコンサルティングを本業とする著者が、顧客に選ばれる企業の作り方を手順とともに解説。ブランドを構築するうえで最も大切なのは「何を伝えるべきか」「伝えたいことは何か」を明らかにすることですが、その重要性や手順を分かりやすく伝えてくれます。
SNSにおける口コミが全盛の時代において、顧客に選ばれ続けるためにはどうすればいいのか、またブランド構築の主役となる社員に伝えるべきことは何かなど、基本的ながらブランド構築の最も重要なポイントを学べる一冊です。
2. グローバル・ブランディング(松浦祥子(著)、碩学舎)
ブランディングについて書かれた本は数多くありますが、その中でもグローバル市場で戦うための方法論について焦点をあてた数少ない一冊。大学で10年以上にもわたり教鞭をとってきた著者によるアカデミックな視点と、実際の現場に身を置く実務家によるビジネス視点の2つのサイドから「グローバル市場で勝つためにはどうすればいいか」を解き明かしています。
資生堂、キッコーマン、ネスレ、ルイ・ヴィトン、IBMなど、国内外の著名ブランドを手がけたブランディングのプロによる視点は、グローバル・ブランディングに取り組むすべての人の参考となってくれます。
3. ブランディング22の法則(アル・ライズ、ローラ・ライズ(著)、東急エージェンシー出版部)
ブランディングについて学ぶ際に知っておきたい22の基本的な法則について書かれた本。「拡張の法則」「収縮の法則」などのように22の法則が各章ごとに分かれて記載されていて、ブランディング初心者にも分かりやすい構成になっています。
中にはブランディングの本質に関わるような抽象的な記述もありますが、「ブランドの名前を決めたい」「ブランドの成長戦略を描きたい」などのように具体的な課題に対する答えも提示してくれており参考になります。ブランド構築に迷った際に見返す一冊としてもおすすめ。
4. デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール(山口義宏(著)、翔泳社)
デジタル時代におけるブランド構築について書かれた一冊。かつてブランドは広告で作りあげるものでしたが、SNSや口コミが全盛の現代ではブランド体験により作るものになりつつあります。こうした変化に対応した新しい時代の方法論を、初心者にも分かりやすく解説しています。
また、デジタル時代に欠かせないブランド効果の検証やPDCAの回し方についてもしっかりと網羅。ブランディングだけでなく、デジタルマーケティングに関わる人であれば一度は読んでおくことをおすすめします。
【戦略・テクニック編】ブランディングの戦略・テクニックを学ぶための本
5. 今より高く売る!小さな会社のブランドづくり(村尾隆介(著)、日経BP社)
ブランディングの重要性は理解していても、具体的にどの程度効果があるのか、費用対効果が見えないため実施に踏み切れない経営者は少なくありません。そんな課題に対し、豊富な事例から実際の経営に落とし込んでいく方法論について書かれた一冊です。
現場の社員に浸透させるべき考え方や消費者に伝えるべきメッセージなど、ブランド構築に必要な具体的なアクションが一つひとつ解説されています。ブランド構築に悩む全ての中小企業にとって、座右の書となる本です。
6. ブランドで競争する技術(河合拓(著)、ダイヤモンド社)
「強いブランドをつくり、ブランドで闘う技術を磨く」ための方法について書かれた本。価格競争や製品の同質化、製品寿命の短縮化などの流れを受け、業種・業界を問わず多くのブランドが衰退の危機に瀕しています。こうした状況に負けないブランドはどうやって作るのか、またどうやって競合に打ち勝っていくのかを、実務的な経験論から解き明かしてくれます。
「ブランドバリューポジショニングマップ」「リスク分散手法」「出島理論」「TICS」など、ブランド戦略を構築するうえで欠かせないフレームワークの実例も豊富で、実践的なブランディング戦略論を身につけることができる一冊です。
7. ブランディング 7つの原則 成長企業の世界標準ノウハウ(インターブランドジャパン(著)、日本経済新聞出版社)
世界的に有名なグローバル企業は、どうやって自社のブランドを構築しているのでしょうか。そんな疑問を抱いている全ての人におすすめしたいのが本書です。
IT関連、金融機関、教育機関、テレビ局、食品、ゲームメーカーなど多彩な業態のケーススタディをもとに、BtoB企業のブランディング成功の秘訣やグローバルブランドが重視していることなど、実践的なノウハウを解き明かしています。「グローバルブランドTOP100」「日本のグローバルブランドTOP40」といったデータ資料も豊富で、大企業のブランディング戦略を学びたい人にとって手放せない指南書となる一冊です。
8. ブランド論 無形の差別化を作る20の基本原則(デービッド・アーカー(著)、ダイヤモンド社)
アメリカではブランディングの第一人者として知られるデービッド・アーカーの著書。ブランディングを学ぶ人なら同氏の著書は必読ともいえますが、これまでに出版された本は難解なものも多く、初心者にはおすすめしにくいものも多くありました。
本書はアーカー氏が提唱する理論のエッセンスを抜き出したもので、ブランド・アイデンティティ、ブランド拡張、ブランド・ポートフォリオといったブランディングの重要なフレームワークがコンパクトにまとめて解説されています。
【事例編】ブランディングの事例から学ぶための本
9. MUJI式 世界で愛されるマーケティング(増田明子(著)、日経BP社)
1980年に西友のプライベートブランドとして生まれた無印良品が、どのようにして国際的なグローバルブランド「MUJI」へと成長したのかが分かる一冊。
MUJIは他にはないユニークな個性を持ったブランドとして知られています。最大公約数が満足をする「これ『で』いい」を目指すのはその代表例で、一見特徴のない「普通」の形をしたプロダクトは、シンプルで使い勝手のいい定番商品として世界中で受け入れられています。他のブランドのように流行を追わず、普遍性を重視するMUJIならではのブランド戦略を学ぶことができます。
10. 社員をサーフィンに行かせよう—パタゴニア創業者の経営論(イヴォン・シュイナード(著)、東洋経済新報社)
国際的に有名なアウトドアメーカー、パタゴニアのブランド戦略について書かれた本。タイトルにもある「社員をサーフィンに行かせる」というのは実際にパタゴニアで行われている取り組みで、裁量を与えるからこそ社員が自身の仕事に責任を持ち、効率的に作業ができるようになるとの意図が込められているのだそうです。
もともとはパタゴニアの経営哲学について書かれた本ですが、その取り組みや思想は社内外に対する企業ブランディングの実例としても参考になります。
11. スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?(ジョン・ムーア(著)、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
日本でもすでに一般的な存在となったシアトル系コーヒー。その代表格ともいえるスターバックスが、数ある飲食サービスの中でも高いブランド価値を保ち続けていられる秘訣やその背景がまとめられています。
スターバックス本社の元マーケティング担当である著者によると、スターバックスブランドの成長の裏にあるのは、綿密な経営ビジョンとそれを現場に浸透させるための行動原則の2つなのだとか。価格競争に巻き込まれない強いブランドを育てるためのヒントが詰まった一冊です。
12. スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営(山井太(著)、日経BP社)
熱狂的なファンも多いアウトドアメーカー、スノーピーク。その社長である山井太氏は、なんと年間30〜60泊をキャンプのテントで過ごし、星空のもとでスノーピークのビジネスモデルを磨いているといいます。
そんな同社のブランディング事例として注目したいのは、ユーザーと社員が共にキャンプをし、実体験を通してブランドを構築するという「B with C」のマーケティングを実践していること。ユーザーとブランドが直接つながるというユニークなアプローチは、顧客との双方向のブランディング事例として大いに参考になるのではないでしょうか。
書籍でブランディングの基礎に立ち返る
ブランディングについて書かれている本は数多くありますが、どういった内容に重点をおいて書かれているかは本によって異なります。ブランディングの基本的な概念について書かれている本もあれば、戦略やテクニックに焦点をおいているもの、成功事例が学べる本などさまざま。効率よく学ぶためには、自分が今必要としている情報が書かれている本に出会うことがとても重要です。
ここでご紹介しているのはどれも基礎的な内容の本ですが、自社のブランド構築に悩んだ際に基本に立ち返り、また新しい一歩を踏み出すヒントになりそうなものを集めてみました。これらの本が、あなたの日々の業務に役立てば幸いです。
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