これから始める企業のための、ブランディング広告超入門

経営・ビジネスハック

「ブランディング広告」という言葉を聞いたことはありますか?
ブランディング広告は、文字通りブランディングを目的として実施する広告です。この記事では、ブランディング広告の概要や活用シーンをご紹介するとともに、ブランディング広告の活用において念頭においておくべきポイントについてお話します。

 

ブランディング広告とは?

「ブランディング」とは、端的にいうと「市場における自社製品のポジションを伝えることによって、ターゲットの意識の中に製品の特徴を浸透させ、中長期的な売上の向上を目指す」という活動です。

ブランディングがうまく機能すると、飛び込み営業や頻繁な宣伝広告の大量出稿といった一方的な売り込みを行わなくても、自然な流れで製品が売れていくという状況を作り上げることが可能であると一般に考えられています。

ブランディング広告は、このようなブランディングを目的として実施される広告です。言い換えると、広告という手法を用いて前述のような状況を作り上げることを目的としているのがブランディング広告です。

これに対して、短期的な売上の増加や見込顧客の獲得などを目的として実施される広告は「宣伝広告」「レスポンス広告」などと呼ばれます。
営利企業の最終的な目的は「利益を上げること」であり、そういう意味ではどちらの広告も最終的に目指すところは同じです。両者の違いは、眼の前にある短期的かつ直接的な成果に重きを置くのか、長い目で見た企業の成長を重視するかにあると考えることができるでしょう。

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ブランディング広告はマスメディアのもの?

ブランディング広告は、「多くの消費者にブランドイメージを伝える」というその目的の性質上、従来はテレビCMなどのマスメディアを使って行うのが常道とされていました。

しかし、スマトフォンの普及や広告プラットフォームの進化により、インターネット上でも多くの消費者に向けてメッセージを送る土台が整ってきたことを受け、近年ではインターネット上でのブランディング広告も増加しつつあります。特に、スマートフォンを通じて動画を手軽に閲覧できる環境が整ったというのは大きなな社会変化で、大手企業を中心に動画を用いたブランディング広告を活用する事例が増えてきているようです。

動画にはテキストや静止画に比べて多くの情報量を含めることができ、閲覧者の意識に訴える力も強いため、ブランディング広告の手法として広く注目を集めています。

 

ブランディング広告活用時のポイント

ブランディング広告を実施するにあたり、ぜひ念頭においておきたいポイントがあります。

一つは、広告を出す「目的」と「目標」をあらかじめ明確にしておくということ。
実施前に目的と目標を明確にする、というのはあらゆるマーケティング施策におけるセオリーですが、ブランディング広告も同様です。

一口に「ブランディング目的」といっても、ターゲット市場にブランドを根付かせるまでにはいくつかの段階があります。消費者の購買行動を表すモデルの一つである「AIDMAの法則」についてはご存知の方も多いかと思いますが、この法則を例に取ると、消費者の状態は以下の図のように動いていきます。

この中の「どの状態にある消費者」に対して、「どのような変化」をもたらしたいのかを明確にしておくことが、ブランディング広告を実施する際の重要なポイントとなります。というのも、それによって制作すべき広告の内容や出稿すべき媒体などが変わってくるためです。

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たとえば、「製品について全く知らない」という段階から「製品を認知している」という段階への変容を図ることが目的であれば、広告出稿の目標は認知度の向上です。この場合、対象市場に属する一人でも多くの消費者に自社製品を知ってもらえるよう広告戦略を練る必要があります。製品を認知している層に製品に対する理解を深めてもらうことが目的であれば、製品の魅力や特徴がわかりやすく伝わるような広告を出稿する必要があるでしょう。

この際、目標に対して「どのような結果が出れば成功なのか」を明確にしておくことも、重要なポイントです。
中長期的な成果に重きを置くブランディング広告には、宣伝広告に比べて成果を目に見える形で示すのが難しいという特徴があります。たとえばユーザ数の増加を目的として出す広告であれば、広告出稿によって増加したユーザの人数がそのまま広告の成果となります。しかし、認知度や好感度の向上を目的とした場合、広告の閲覧数やクリック数、転換率といった分かりやすい指標だけ使って成果を可視化することはできません。つまり、ブランディング広告にかけたコストに対する成果を数値化して明確に報告するのが難しいため正確な評価が行えない懸念があり、実際には成果が出ているにも関わらず、施策の実施を中断するようなことにもなりかねないのです。

こうした状況を防ぐため、実施の前段階で成果測定の指標を明確にしておくことが大切です。

 

ブランディング広告の成果を図るブランドリフト調査とは

前述のとおりブランディング広告においては、広告のクリック率やPV、転換率といった指標だけでは成果を図りきれないことが少なくありません。

たとえば、製品の認知向上を目的としてブランディング広告を出稿する場合を考えてみましょう。動画広告の閲覧数やクリック数、広告経由でのWEBサイトへのアクセス数などは、認知度向上を推し量る一つの基準にはなり得ますが、動画を閲覧したりWEBサイトを訪問したりした人すべてが、必ずしも製品を認知したとは限りません。認知度が上がったかどうかを正確に測定するには、ターゲット市場に属する消費者の意識を実際に調査する必要があるのです。

このために用いられているのが、「ブランドリフト調査」という手法です。
ブランドリフト調査とは、ブランディング広告に接触したグループと接触していないグループに対して同様のアンケート調査を行い、両者の割合を比較することで広告の効果を図る手法です。たとえば、ある広告を見たことのあるグループとないグループに対して「この製品について知っていますか?」というアンケートを行い、「はい」と答えた人の数が前者>後者であれば、その広告は一定の成果を上げたと考えられます。一方、前者=後者であれば、残念ながら広告は芳しい成果を上げられなかったと判断することができるでしょう。
WEBでブランディング広告を実施する場合は、クリック率やPVなどのデジタルの指標だけでなくこうした定性調査を併用することで、成果測定の精度を上げることが可能です。

ブランドリフト調査は、従来は調査会社等を利用して実施されることが多かったのですが、最近ではGoogleのブランド効果測定サービスのように、広告と連動してシームレスにブランドリフト指標を測定することもできるようになってきています。
こうしたサービスを上手く活用すれば、精度の高い効果測定を低コストで実施することもできるでしょう。

 

WEBブランディング広告に注目しよう!

以上、この記事ではブランディング広告について、概要から活用のポイントまでを解説しました。

インターネット上で動画などのリッチコンテンツを容易に扱えるようになったことで、多額の費用をかけることなく、ブランディング目的の広告を活用できる素地が整いつつあります。また、デジタルならではの特性として、特定のセグメントに絞り込んでメッセージを届ける仕組みも整備されてきています。

これからは、企業や市場の規模に関わらずブランディング広告を戦略に組み込んでいくことが、WEBマーケティングの常道となっていくのかもしれません。

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