気をつけよう!どんな企業にも存在し得る、ブランド・ロイヤリティを失う6つの原因

デジタルマーケティング
ある消費者が特定ブランドの商品を継続して購買するようになったとき、そのブランドはこの消費者からの「ブランド・ロイヤリティ」を得たことになる。
ブランドに対する愛着心と解釈されることもある「ブランド・ロイヤリティ」。これを獲得できれば企業のビジネスは安定的に成長するだろう……と安心しきってはいけない。優れた商品を提供している企業でも、あれよあれよという間にブランド・ロイヤリティを失ってしまうことがあるからだ。
今回は、その主な原因を6つの項目にまとめたので、ぜひご覧いただきたい。
1. ロイヤリティの程度に合わせたサービスを提供していない
ひとたびブランドの固定客となってもらえれば、「もう大丈夫!」と、マーケティング努力を欠いてしまうことはないだろうか? それがロイヤリティ喪失への第一歩となるので、要注意。
同じ「固定客」でも、自社商品を購入し始めて1年目の顧客と5年目の顧客とでは、ブランドに求めるものが異なって当然。長年「ごひいき」にしてもらっているお客さんには、それ相応のサービスを提供しないと、「こんなに長いことおたくの商品を愛用しているのに……」と不満を持たれてしまう可能性もある。
ロイヤリティの高い顧客に対し、そのごひいき度に見合うサービスができなければ、ロイヤリティ戦略はばっちり! というライバル会社に、ごひいきの地位を奪われかねない。そうならないよう、長期計画を立てていこう。
2. カスタマーの嗜好の変化、生活の変化をとらえていない
これは、かなりイタい。先ほどと同じく、固定客になってくれた顧客に対して安心感を抱いてのほほんとしているときに、問題となってくるポイントだ。
ある「お得意さん」が最初に自社商品を購入してくれたときから、何年経っているだろう? 時が経てば必要なものが変わってくることもある。また、そんなに長い年月を経ていなくても、嗜好が急に変わることだってある。
そのような変化を敏感にとらえずに、いつまでも同じような商品を同じような方法で販売していては、いつか、飽きられてしまうときがくるかもしれない。どんなに優れた商品でも、注意が必要だ。
3. 旧バージョン製品のサポートが、なおざりになっている
ありがちなのが、この問題。つい、新商品や新バージョンのプロモーションにばかり力を入れてしまうものだ。
もちろん、それは当然のこととも言える。社運を賭けて新商品や新バージョンを開発することもあるだろうし、開発が成功したら、どうしても、「この新しいほうをぜひ試していただきたい!」という気になるだろう。
それでも、やはり旧バージョンを使ってくれているお客さんを放っておいてはいけない。彼らは、あなたの会社が自分をどうサポートしてくれるかをシビアに見ているものだ。
4. 一貫性、継続性のないサービスで、カスタマーを混乱させている
意外とあるのがこのパターン。
初めは手厚いカスタマーサポートで好評を得ていた企業でも、その後、経営状況が変わって、同じ質のサポートを提供できなくなることがあるだろう。企業側からすれば、それは「いたし方のない」こととも言えるが、顧客からすれば、「???」な場合もある。お客さんは会社の内情を知らない。どのくらいの経費を自分へのサポートに割いてもらえるかなんて、わかっていない。
資金が足りないときでも、カスタマーサポートの質をあまり変えないのが望ましいが、どうしても何かを変えなければならないときは、それなりのフォローが必要だ。ほとんど何の説明もなく、いきなりサポートの質が変わってしまったら、その突然の変化についていけないお客さんも出てきてしまう。
経営理念が変わったために、カスタマーサービスの内容を一新するときにも、同じことが言える。どんなときでも、顧客を混乱させないよう、フォローの計画を立てつつ慎重にサービス内容を変えていこう。
5. カスタマーの声に耳を傾けていない
これには思い当たるところがある、という方も多いかもしれない。どんなに充実したサービス体制を敷いている企業でも、すべてのお客さんの言うことに耳を傾け、自社サービスにうまく反映させることは難しいからだ。どうしても「漏れ」が出てきてしまう。
ただ、「最低限これだけは!」というところは、絶対にはずさないようにしたい。つい、キャンペーンやプロモーションのような「前へ進む」仕事に夢中になってしまって、過去にお客さんから指摘されたミスを直していない……などということがあれば、ブランド・ロイヤリティ喪失の日も近いかもしれない。気をつけよう。
6. 「今、何をしているか」についての情報をこまめに発信していない
老舗企業においては、とくに注意したい点だ。世間からの信頼が厚いだけに、そんなにしょっちゅう宣伝をしなくてもコンスタントに商品が売れるかもしれないが、そこに落とし穴がある。
モバイルデバイスでまめに情報をとる消費者が増えた現在、「今、こんなことをしています!」ということを発信し続けなければ、すぐにライバルに取って代わられてしまう。つねに自社の「意気込み」が消費者に伝わるようなメッセージを発信していくことで、「老舗としての安定感とフレッシュさを兼ね備えたブランド」というイメージを持ってもらおう。
また、老舗企業だけでなく、スタートアップ企業についても同様のことが言える。会社を興したばかりの時は、熱心に「こんな事業を始めました!」という情報を発信していたとしても、その後、忙しくなって情報を更新できないということもあるだろう。だが、何をしているかわからない会社を支持する人はいない。できるだけ継続的にメッセージを発信していこう。
まとめ
いかがだっただろうか? もし、今回ドキッとされた点があれば、現在おこなっている業務の内容やマーケティングの方法を見直してみてはどうだろう。
失うと怖いブランド・ロイヤリティ。だが、業務を改善することで、これが倍増する可能性だってある。ぜひ、今回ご紹介した点を参考に、「ごひいき」の地位を守る対策を立てていってほしい。
参考元: Top 4 Brand Loyalty Mistakes 5 Ways to Ruin Brand Loyalty
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