ブロガーからパブリッシャーへ――より長期的なブログ運営戦略への手引き

コンテンツマーケティング

まずは、今やたいていの辞書に載っている「ブログ」という言葉を考えることから始めよう。

この単語は2000年初頭から流行し始めたが、もともとは、「ウェブ」という言葉に、記録をあらわす「ログ」という言葉を加えた「ウェブログ」を省略した言葉だということはご存じだろうか。

「ブログ」は確かに新しい単語だが、そのもとになっている「ログ(log)」という言葉はウェブカルチャーの登場以前から使われている。例えば、昔はログブック(logbook)と言えば、航海記録や航空記録を指していた。

航海記録というと、その日の風向きや波の高さ、天気など、こまごましたことを書き付ける日誌がイメージされる。

コンテンツマーケティング実施におけるブログも「航海記録」で良いのだろうか?

今回は、改めてブログ戦略の最新事情を、2つの新しいキーワードとともにご紹介しよう。

パブリッシャー:長期的な視点を持ったブログ運営者

近年、英語圏では前述の航海日誌のように細々とした日常のことを書き綴る「ブロガー」と区別して、「パブリッシャー(Publisher、出版者または出版社)」という言葉が使われている。

パブリッシャーという単語は、より長期的なスパンで良質なコンテンツを提供し、しっかりと顧客層との関係を築き上げるタイプのコンテンツサプライヤーを指す。

書き手の信頼性が重用視される昨今、パブリッシャーは、ブログ運営者の目指すべき理想像といってもよい。

こうした綿密なブログ運営は、当然それなりの手間を必要とする。理想は専門のコンテンツクリエイター(ライター、編集者など)を雇うことだ。しかし統計によれば、ブログ先進国のアメリカですら、2013年にこうしたクリエイターをフルタイムで雇う企業はまだ9%に過ぎない。

しかし、短期的・散発的にウェブ上で視聴者の神経を刺激するだけのアドバタイジングは、もうウェブ上で飽和している。あなたも、ソーシャルメディアやECサイトでチカチカと輝く広告にうんざりしたことがあるはずだ。

内容のあるコンテンツを求める声は、年々大きくなり、もはや時代の流れになっている。

ニュースルーム(編集室)という比喩

今や、企業サイトの運営するブログについては、担当者が日常を書き綴るだけの内容では物足りない。

英語圏ではブログ運営チームを「ニュースルーム(newsroom、編集室)」と呼ぶことからも、上記のような見解がうかがえる。

ニュースルームという言葉は、もともと紙媒体のメディアやテレビ局において、各地から集まった情報を編集し、1つのコンテンツに練り上げるための部局を指していた。

つまり、パブリッシャーを目指すなら、まず、私たちはニュースルームを目指すべきではなかろうか。そのとき、必ずしも「ルーム」という空間の比喩にとらわれる必要はない。

ライターやコンテンツクリエイターは、社内にいなくとも、遠距離からの共同作業に適している。社外にも多くの連携を持ち、あたかもニュースの編集のように多様な視点をとりいれながら、リーダビリティの高いコンテンツを常にブログで更新することが重要なのだ。

航海日誌の良いところに学ぶ「継続的に発信すること」

最後に、もう一度ブログという言葉に戻ろう。

現在のブログは、航海日誌とは異なり、単に日常の記録に終わってはいけない。しかし、航海日誌にも見習うべきところがあったのだ。

それは、毎日欠かさず更新し、長い長い航海を忍耐強く乗り越える覚悟がいる、という点だ。

HubSpot社の調査によれば、「毎日」更新するブログを持つ企業の82%はブログ経由で顧客を得ることができたが、「毎月」更新のブログを持つ企業では57%に留まるという結果になった。これは、驚くべき差ではないだろうか?

また、コンテンツクリエイターのJoe Pulizziは、ブログ経由で顧客と関係を築くまでには、およそ1年から1年半もの密な更新が必要だと語っている。

海は広く、航海は長い。

だからこそ、優秀なコンテンツクリエイターと、長期的視野を持ったブログが必要なのである。

参考元: Scaling: How to Grow Up From a Brand Blog to a Brand Publisher As brands start building digital newsrooms, what do they need to succeed?

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