インパクト重視、2つの海外コンテンツマーケティング事例【掃除機のBissell、生命保険のLife Broker】

コンテンツマーケティング

話題になるプロモーションを行うためには、インパクトが必要だ。意外性や驚きを見る人に与えることができれば、それだけ大きな反響を期待することができるだろう。

今回は、そんな強烈なインパクトで話題づくりを狙いたい場合に、参考になりそうな事例を紹介したい。

悲鳴必至!誰にも真似できないランチ【掃除機メーカー、Bissellの事例】

最初にご紹介するのは、アメリカの掃除機メーカー「Bissell」の事例だ。

同社の新製品である掃除機、Symphonyは、「99.9%の細菌を除去する」というスチームモップ機能が付いていることが売り。このことをわかりやすくアピールするために、同社は、大勢の利用客がいるカナダ・トロントの地下鉄駅構内に、この掃除機を持ち込んだ。

地下鉄駅のコンコースは、誰が通ったかわからず、場所によっては、泥などで汚れていることもある。「あまりきれいな場所ではない」と、誰もが共通認識を持っているのではないだろうか。

そこで、Symphonyの出番となる。スチームモップで床を掃除すれば、黒く汚れていたタイルも、まるで新品のような白さと輝きを取り戻すのだ。周りの床と見比べてみると、その違いは一目瞭然である。

しかし、これだけでは、さほど大きなインパクトはないだろう。周りにいる利用客の反応も、「ふ~ん」といった冷ややかなものばかり。そして、その反応を見透かしていたかのように、同社は、次の行動に出るのだ。

タイルを掃除した男性が、次に持ち出したのは、ランチボックスに入ったパスタ。これを先ほど掃除したタイルの上にぶちまけ、首元にナプキンを着け、フォークを取り出した。「え、まさか……」という視線が注がれるなか、男性は、そのパスタを食べ始めたのだ。

ここまですると、周りにいる利用客も、黙って見てはいられない。悲鳴を上げる人、スマートフォンでその様子を撮影する人など、さまざまである。

男性は、そんな反応もおかまいなしにパスタを完食してしまうと、おもむろにパンを取り出し、パスタソースをきれいに拭って食べてしまった。しつこいようだが、地下鉄駅のコンコースにぶちまけられたパスタソースのことである。

その一部始終は、以下の動画に収められている。ぜひご覧いただきたい。

BISSELL Symphony | Subway

 

 

 

動画によると、このパフォーマンスを行ったのは、同社のシニアブランドマネージャーであるRavi Dalchand氏とのこと。

決して、好意的に受け止められるプロモーションとは言い切れない。しかし、「メーカーの人がそこまでやるなら、本当にスゴイのだろう」という印象を植え付けるには、十分だ。

動画の最後にある、「私は、この製品を100%信頼しています」という同氏のコメントが、なんとも秀逸だ。

生命保険の広告に起用されたのは、なんとあの人!?【生命保険・Life Brokerの事例】

もう1つご紹介したいのは、オーストラリアの生命保険会社「Life Broker」の広告事例だ。

同社が行ったのは、生命保険を必要としていそうな人を取り上げ、「Life insurance?(生命保険、必要ないですか?)」と、問いかけるだけのシンプルなものだ。「それの、どこがインパクトにつながるのか?」と思った人もいるかもしれない。

まずは、同社が展開した広告をご覧いただきたい。

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出典:<el bloggo de mango/Gaddafi in Advertising>

一目見れば、インパクトがあるという理由がおわかりいただけるだろう。同社が取り上げた、「生命保険を必要としていそうな人」は、なんと、リビアの元最高指導者であるカダフィ大佐だったのだ。

ちなみに、この広告が出稿されたのは、2011年9月。カダフィ大佐が政権を追われ、国内逃亡を続けていた時期である。確かに、この当時、彼ほど生命保険を必要としていた人は、ほかにいなかっただろう。

生命保険の広告に起用される人といえば、タレントやスポーツ選手のなかでも、クリーンで爽やかなイメージを持った人が多いのではないだろうか。しかし、「それではありきたりで、大きなインパクトはない」と考えた同社が出した答えは、従来の広告とは真逆の人選を行うことだった。

この広告が、見る人に大きなインパクトを与え、反響を呼んだことは想像に難くないだろう。なんとも、きわどい広告事例である。

注目すべきは、「全ての人から好意的に受け入れられなくてもいい」という姿勢

今回ご紹介した2つの事例に共通しているのは、インパクトの強さだけではない。それよりも注目したいのは、「全ての人から好意的に受け入れられなくてもいい」という、開き直ったような姿勢だ。

万人から賞賛されるわけではない。しかし、心には強く残る。あれもこれもと複雑に考えるのではなく、プロモーションを行う目的をシンプルに集中させたことが、成功の秘訣と言えるのではないだろか。

話題性のあるプロモーションをしたいと考えている人にとって、今回の事例が参考になれば幸いである。