ビッグデータをコンテンツマーケティングに最大限活かすには?

コンテンツマーケティング
今や、アメリカ大手コンサルタント会社であるマッキンゼーアンドカンパニーからも、10兆円の商機だと評価されているビッグデータ。
一例を挙げれば、アメリカの宅配業者であるUnited Parcel Service社は、ビックデータ分析を元に、一宅配人あたり年間3000万ドルものコストダウンに成功した。これには、ビッグデータを有効に活用できていることが大きく寄与している。
では、膨大なデータの中から、どのようにして適切なデータを選び、分析し、役立てるのか? この点に関しては、多くのマーケターが苦戦していることだろう。 今回は、マーケターが直面するマーケティング課題を3つ紹介し、そこでのビックデータ活用法を具体的にかつシンプルに解説したい。
目次
そもそもビッグデータとは?
ビッグデータとは、その名の通り膨大な情報を意味する。 その中には、メール、携帯電話そしてソーシャルメディア上などでの、消費者のあらゆる行動のデータが含まれている。サイト閲覧数、コンテンツのクリック数、Web滞在時間、そしてCRMのデータなどが代表的な例だ。そして、このようなビッグデータは、コンテンツマーケティングを手掛けるものにとって、顧客理解のための最も重要なツールなのである。
すなわち、「ターゲット顧客は誰なのか?」「それらの顧客の興味関心はどこに向いているのか?」といった疑問をビックデータで解決し、コンテンツマーケティングの充実化を図ることが、マーケターの役割である。
では、一体どのようにビッグデータを利用すればいいのだろうか? 具体的な事例に入る前に、すべての事例に共通する最初のステップについておさえておこう。それは、どのような課題を解決したいのかを明確にすることである。
ビッグデータを利用し、何を解決したいのか
ビッグデータをコンテンツマーケティングに活かすことを考える前に、まずビッグデータを使ってどのような課題を解決しようとしているのかを明確にする必要がある。
・コンテンツマーケティングを行う目的は何か? ・顧客はどのようにしてコンテンツを消費するのか? ・期待する顧客像とは? ・どのコンテンツが最も注目を浴びているのか? ・認知度を上げるコンテンツとは?
これらの問いに答え、課題を明確化することが、ビッグデータをコンテンツマーケティングに役立てる第一歩である。
ビッグデータの3つの活用法
では、ここでいよいよ、多くのマーケターが直面する3つのマーケティング課題を紹介し、それらに対してビッグデータがどのように役立つのかを事例とともにご紹介したい。
1.認知度を上げるには?
多くの中小企業は、コンテンツマーケティングを通じて、より多くの人に自社について認知してもらうことを目標としている。そして、この目標達成のためには、Webサイトのトラフィック、ブランド検索、ソーシャルメディアでのフォロー数やシェア数、インフルエンサーの言及数、トラフィックがどこから来ているのか、などデータを分析する必要がある。これらデータを基に、どのような顧客が、自社をどのように認知をしているのかを把握するのだ。
こうしたテータの定期的な収集・分析は、Google Analytics、Google Alerts、HootSuiteなどのツールを使えば、比較的簡単に行うことができる。
ところで、ビッグデータという言葉がバズワードになる以前から、ビッグデータを扱うことができるツールは存在した。
例えば、アメリカの老舗小売業者のSears社は、1980年代、他社が手動でデータ更新を行っていた時代から、自動でデータ収集・分析を行っていた。これに大きく寄与しているのが、データウェアハウスの使用である。
つまり、ビッグデータを使用するためのツールは30年以上も前から活用され、作業の効率化を実現してきたのだ。
現在、ビッグデータを扱うことのできるツールは様々に進化し、価格もかつてに比べると驚くほど安くなっている。認知度を把握したい時のみならず、ビックデータを利用する際は、ぜひ最新のツールをリサーチして、活用することをおすすめしたい。
2.コンバージョンにつなげるには?
コンテンツマーケティングでは、提供するコンテンツを見込み客にクリックし、閲覧してもらうことも重要である。こういった行動をどのように起こしてもらうか。そこではサイト滞在時間、消費されたコンテンツの種類、見られなかったコンテンツの種類などに関するビックデータを分析することが望ましい。
どのようなコンテンツが、どれほど効果的であるのかを導きだし、コンバージョンを起こす最適なコンテンツ形式を決定するのである。
3.既存顧客を維持するには?
どのようにして既存顧客を継続的に魅了し続けるか。この課題においては、既存顧客のニーズをどれほど的確に把握できるかが鍵である。
そこでは、購読者ベース、クリック率(CTR)、サイト滞在時間、そして全体的な満足度などの指標について分析することが求められる。これらを基に、既存顧客のニーズをしっかりと把握し、より適切なコンテンツを提供し続けることがマーケターの課題である。
ここで、カジノ、ホテル業などを手掛けるアメリカのCeasers Entertainment社の例を見てみよう。彼らは顧客満足度を測るために、Webページ遷移、リアルタイムでのスロット使用状況を分析している。また、利益率の高い顧客と、そうでない顧客を区別したり、携帯電話を使ったリアルタイムオファーをする際にも、ビックデータからの情報を使っている。
このように、Ceasers Entertainment社は、既存顧客の満足度を測り、新たなサービスを展開し、より確実な顧客獲得を目指しているのである。
まとめ
さて、いかがだったろうか。膨大なデータの集合体であるビックデータも、課題に合ったデータを収集し、分析することによってこそ、有効活用できるのである。
コンテンツマーケティングにおけるビックデータの重要性は高まっている。また、逆に言えば、ビッグデータを駆使できるか否かが、コンテンツマーケティングを通じて、ビジネスそのものの成果に大きく影響するのである。
上記の事例などを参考に、ビックデータを最大限に活用し、顧客理解を深め、コンテンツマーケティングの充実化をすすめてほしい。
参考元:?How Big Data Will Change Content Marketing Strategy?3 Ways Your Content Marketing Strategy Can Use Big Data?Big Data in Big Companies
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