北米のB2Bコンテンツマーケティング・トレンドから日本のB2Bマーケティングを考える

コンテンツマーケティング
今、あなたの会社において、コンテンツマーケティングに関する意識はどのようなものだろう。
コンテンツマーケティングが重要だとはわかっていながらも、効率や施策による費用対効果、工数などを調整しながらプランニングを行っているのではないだろうか。
日本ではまだコンテンツマーケティングに関する実績が少なく、企業間での足並みもバラバラだから、参考にしたくとも、国内の参照例はそれほど多くない。
では、マーケティング先進国である北米の企業はコンテンツマーケティングをどのように認識し、担当者はどんな意識で施策を実施しているのだろうか。
今回はContent Marketing Institute(CMI)のJoe PulizziとMarketingProfsのチーフ・コンテンツ・オフィサーAnn Handleyによる、北米におけるB2B業界のコンテンツマーケティングのトレンド予測資料をもとに、日本との比較をしてみよう。
そこから、今後の日本企業におけるコンテンツマーケティングの進むべき方向性が見えてくるかもしれない。
目次
ほとんどの企業がコンテンツマーケティングを行っており、専任の担当者がいる
まず、北米企業のコンテンツマーケティングに関する意識や社内の体制を見ていこう。
・93%の北米の企業が何らかのコンテンツマーケティングを行っている ・BtoB企業の42%にコンテンツマーケティングを統括する担当がいる?北米企業ではほとんどの企業がコンテンツマーケティングを実施し、さらに統括する専任者も用意している。
また、ドキュメントとしてまとめられたマーケティング戦略を持っている企業も40%近い。
これらの結果から、北米企業内では、マーケティング施策としてコンテツマーケティングが大きなウエイトを占めていることがわかる。
コンテンツマーケティングの着地点は「営業や販売」よりも「ブランディング」
コンテンツマーケティングの成果として重視しているものは
「ブランド認知」(82%) 「見込み客獲得(リード・ジェネレーション)」(74%) 「顧客獲得」(71%) 「ソート・リーダーシップ」(68%)
などが上位を占めており、「営業活動」などの、直接的な販売促進活動は比較的低いスコアとなっている。
北米企業の場合、「コストや工数に見合っているかどうか」を最重視するのでなく、コンテンツマーケティングを通してのユーザーへのメリット提供と、それを通じたブランディングや見込み客の新規獲得を重視している。
日本の場合、コストや工数をかけても直接的な利益に確実に結びつかないと、施策を実施・継続することが難しい傾向にある。
しかしこれは、見込み度合いの高い顧客を短期的に刈り取るには良いが、長期的に見ると顧客の新規開拓にはつながっていかない。
北米企業は、将来的な販売や見込み客のために、コンテンツマーケティングを通して投資をしているということがわかるだろう。
悩みは「リソース不足」
一方、マーケティング担当者がコンテンツマーケティングを行ううえで悩んでいるのは「時間不足」「十分なコンテンツの作成ができない」などだ。
きちんとした、質の高いコンテンツを作らなければならないが、新しいマーケティング手法であるがゆえに体制やノウハウが確立していない。各社とも、独自に取り組んでいることが多いため、時間がかかってしまう。
そのため、時間が割きづらかったり、リソースが足りず、コンテンツが十分に共有できていなかったり、といった悩みにつながっていると考えられる。
なお、それらを解消するため、外注を活用している企業も多く、特に「記事作成」「デザイン」は外注率が高い。
また「コンテンツの企画と戦略策定」「ペルソナ作成」など、企画や戦略にあたる部分は自社で行う企業が多く、コンテンツ制作の実作業と企画・戦略部分とのバランスを、うまくとることを目指しているようにも見受けられる。
コンテンツマーケティングは長期的視点で
以上、調査結果をご紹介したが、いかがだったろうか。
北米においてコンテンツマーケティングは、”顧客をすぐに刈り取るためのツール”ではなく、長期的な利益のための投資として活用している傾向がある。
これらを参考にし、本当に有益なコンテンツマーケティング施策を目指して頂けたらと思う。
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