AR(拡張現実)技術が再度注目されるそのワケとは?

デジタルマーケティング

もし、あなたの商品をどこからでもすぐに立体再現できる技術があるとしたら、どう活用するだろうか? 

その技術は、すでに実用段階に入っているのだ。

仮想現実を現実に反映するAR技術

マンガの中のキャラクターが紙から飛び出し、あなたの目の前で動き、話す。まさに魔法のような技術が、さまざまな場所で応用され始めている。拡張現実。「AR(augmented reality)」と呼ばれているものだ。

簡単に説明すると、カメラを通して映し出された「現実」の映像に、画像や動画、音声などの電子情報を反映(拡張)し、現実空間をコンピューターにより改変する技術である。2014年には「Googleグラス」などのウェアラブル端末にも応用され、今再び注目されている技術と言えるだろう。

この技術を先駆的に取り入れたサービスの例として、頓智ドット(現・tab)が開発したスマホ向けアプリ「セカイカメラ」が有名だ。2009年に発表した「セカイカメラ」は、AR技術を使用することで多くのユーザーの支持を集め、2010年のWorld Summit Award for Mobile ContentにおいてBest mobile contents賞を受賞している。

このように、AR自体は2009年にはすでに実用化され、広告やキャンペーンなどで取り入れられてきた。しかし、近年のスマートフォンの普及により、さらに身近な技術として、さまざまなものに活用されている。

ドラえもんが見せたAR技術の可能性

2014年7月、菓子のヒットメーカーであるグリコが、国民的アニメであるドラえもんとコラボレーションし、AR技術をつかった画期的なキャンペーンを開始した。

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出典:グリコ「STAND BY ME ドラえもん」キャンペーン

このキャンペーンは、未来の技術であるARを小さな子供でも体感できる点が注目され、話題になった。

グリコの菓子やレトルト食品のパッケージなどの一部が塗り絵になっており、それを塗って遊んだ後、スマートフォンにダウンロードした「グリコぬりえ」という無料アプリを起動し、カメラを塗り絵に向ける。すると、自分で塗ったドラえもんが、塗り絵の中から飛び出してくるという仕組みだ。タップをすると、ドラえもんが映画の一場面さながらに動き出す。

まさに、ドラえもんの世界観とマッチしたこのキャンペーンは、ターゲットである子供だけではなく大人までをも虜にし、さまざまなメディアやソーシャルネットワークで紹介された。

AR技術の可能性を示す1つの事例として、この手法には学ぶ点が多い。

ドラえもんだけではない!ARを活用した商品やプロモーション

ここ数年、企業がキャンペーンや商品、マーケティングなどにAR技術を使う例が増えている。ここでは、その好例を3つ紹介したい。

例1:顧客が求めるグッズにAR技術を用いたスターバックスの戦略

スターバックスは、同社のチャージ型のプリペイドカード「スターバックスカード」にAR技術を組み込んだ試みを、2014年6月に展開した。

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出典:スターバックス プレスリリース

アーティスト清川あさみがデザインした美しい蝶に、AR技術を組み込むことで、蝶が現実へと飛び立つさまを再現したカードを限定生産したのだ。

そのコンセプトが若い女性に受け、発売後数時間で完売したという。

例2:AR技術で「わくわく」を作り出すマクドナルド

AR技術を用いた戦略では、マクドナルドにも要注目だ。数年以上前から、AR技術を使ったプロモーションを世界各地で行ってきたマクドナルドは、FIFAワールドカップにおいても印象的なプロモーションキャンペーンを展開した。

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出典:マクドナルド ニュースリリース

ワールドカップ期間中、フライドポテトのパッケージを、世界各地のアーティストがデザインした12種類のワールドカップモデルに変更したのだ。

ユーザーがスマートフォンにダウンロードした専用アプリをパッケージへと向けると、サッカーゴールやポールが現れ、ワールドカップをモチーフにしたミニゲームを楽しめる。

そして、クリアーした実績として、割引クーポンなどがもらえるという仕組みだ。

マーケティングでも活用され始めているAR技術

AR技術は、マーケティングにも大いに活用されている。

オフィス用家具や文房具で知られるプラスは、2014年6月に自社のショールーム「+PLUS」で、スマートフォンと連携して情報提供を行う「iBeacon」を使った製品自動ガイドシステムを導入した。

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出典:プラス株式会社 NEWS&TOPIX

このシステムは、オリジナル無料アプリ「+PLUS ARカタログ」がダウンロードされたスマートフォンを製品に近付けると、端末が自動で通知メッセージを受信して、製品紹介動画を再生するというものだ。

オフィス家具や文具の機能説明などもしてくれるので、このガイドによって、ユーザーは自分が使用するイメージを持ちやすくなるという利点がある。

AR技術は進化する

いかがだろうか。近年のスマートフォンの普及、および技術の向上により、AR技術は再び注目されるようになった。

今や、Googleグラスなどのウェアラブル端末だけではなく、車のナビゲーション機能にも応用され、使い方次第では大きな可能性を秘めている。直感的に情報を伝えられるAR技術は、広告産業にとっても大きな柱となるだろう。

ぜひ、あなたのビジネスにも取り入れてみてはいかがだろうか。

参考元:
グリコグループ ニュースリリース「 STAND BY ME ドラえもん」キャンペーン
スターバックス プレスリリース「清川あさみデザインの限定スターバックス カードが6月4日登場」
マクドナルド ニュースリリース「マクドナルド 2014 FIFAワールドカップ キャンペーン」
プラス株式会社NEWS&TOPIX「ショールーム初 iBeaconを活用した【製品自動ガイド機能】を導入」

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