オンラインでも十分なアドバイスが欲しい……というカスタマーの希望に応える「Ask Zappos」

EC(Eコマース)

「幸せを届ける」をモットーに、究極のカスタマーサービスで多くのリードを顧客に育て上げているネット靴専門店、Zappos(ザッポス)。

同社は、常に徹底したカスタマーセントリック(顧客中心主義)を意識し、顧客との信頼関係の強化に余念がない。今回もまた、消費者のかゆい所に手が届くサービスを開始し、話題を集めている。

「Ask Zappos」は、ユーザーにより提示された写真を基に、彼らが探し求めている商品を、正確に探し当てるというサービスだ。いわば、ショッピングをする際の「デジタル・パーソナル・アシスタント」である。

ここでは「Ask Zappos」の仕組みと、同社の卓越したカスタマーセントリックを考察する。

欲しいを見つけるネット探偵

カスタマーセントリック, 顧客中心主義,Zappos,ザッポス,Ask Zappos 出典:Zappos Labs

「どのアイテムが欲しいのかわかっているが、その商品のブランドや、販売されている店舗の名前がわからない」というのは、よくあることだ。そんな時の力強い味方が、「Ask Zappos」である。

まず、ユーザーは、目にした欲しいアイテムの写真を撮る。または、そのアイテムが載った写真を入手する。そして、「Ask Zappos」にその写真を送る。手順は、それだけだ。

探している商品画像の送信は、4つの方法から選択できる。

1.テキストメッセージ 2.Eメール  3.Instagramに投稿した写真にハッシュタグを付ける(#AskZappos) 4.「Ask Zappos」のWebサイトから写真をアップロード

24時間体制のカスタマーサービスにより、リクエストを受けたZapposは、ユーザーに対して迅速かつ的確に、商品情報の提供や、代替品の紹介などを行っている。

「究極のサービス」の副産物

Zapposが実践しているのは、究極のカスタマーセントリックである。

同社は、「顧客を満足させたい」「驚かせたい」「感動させたい」と常に思っている。そして、顧客が欲しいものを購入できた時に初めて、ブランドの存在価値を確保できるものだと考えている。

例えば、「Ask Zappos」でユーザーの探している商品が、Zapposでは扱っていないが、他社ではストックされているとする。その場合、例えそれが競合他社であっても、同社は、その商品が販売されているURLをユーザーに提供する。なぜならZapposの目的は「顧客に欲しい物を手にしてもらうこと」だからだ。

このようなカスタマーセントリックなサービスを継続的に実行している同社は、ブランドの認知度・顧客のリピート率、そして、ロイヤリティを劇的に向上させている。

一歩先ゆくトレンド察知

「Ask Zappos」のようなサービスは、ユーザーのファッショントレンドが直接反映される。

そのため、送られた膨大な数の画像を分析することにより、現在、そして、これからやってくるトレンドを素早く察知することができる。それを基に、有効なマーケティング戦略を立てることも可能となる。

このように同社は、「Ask Zappos」のサービスを通してブランドの利益を上げ、顧客に価値をもたらすという、まさに「Win-Win」の関係を構築している。

まとめ

究極のカスタマーセントリックを実行し、最終的に、顧客と企業が「持ちつ持たれつ」の関係になることが、これからのEコマースで生き残る1つの手段ではないだろうか。

ユーザーとコミュニケーションを強化する意欲的なサービスは、確実にブランドの成長に大きく貢献する。

この、無料で提供されている「Ask Zappos」。ぜひ一度利用して、同社のカスタマーサービスをご自身で体験してみてはいかがだろうか。

参考元: Zappos Tests a Digital Personal Assistant 'Ask Zappos' raises customer service bar, again

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