あなたの欲しい商品を予測する究極のWEB広告 人工知能で進化する広告とは?

デジタルマーケティング

Web広告の世界で今最もホットなのは、リターゲティングと呼ばれる広告だ。ご存じない方も多いかもしれない。

リターゲティングとは、あなたが訪れたWebサイトの情報を記憶し、その後、あなたが訪れるWebサイトに同じ製品やサービスの広告を出し続けるのだ。リターゲティング広告は、これまでのWEB広告と比べて、極めて効果が高い。要注目の広告なのである。 リターゲティング広告は既に効果が高いのであるが、どんどん研究が進み、より効果の高い広告へと進化して行っている。各種のデータを駆使し、人工知能を使って、あなたの欲しい商品を予測し広告を表示する事が現実になりつつある。ある意味究極の広告と言えるかもしれない。

今回、米国のデジタル広告のRocket Fuel社のマーケティングディレクター、エリック・ポレス氏の好意で、WEB広告の最新動向に関する記事を翻訳させた頂いたので、ご紹介しよう。

伝統的リターゲティング手法の終焉

erric porres ネット上ではよくあることだ。ある日あなたが、Webでおもちゃのエルモを検索したとしよう。その日から数週間、おそらくあなたはあの赤い毛むくじゃらの小人の広告の集中砲火を浴びることになる。ようこそ、リターゲティング広告の世界へ。

Web上の大手広告主の多くはすでに広告戦略にリターゲティング広告を取り入れており、その多くは悪くない結果をおさめている。リターゲティング広告は特定の製品/サービスに関心を示した顧客(一度はサイトを訪れた顧客)の成約率を押し上げる効果がある。

とはいえ実際のところ、“リターゲティング広告”において本来の意味での“ターゲティング”はほとんど行われていない。現状のリターゲティング広告とはあなたのWebサイトを訪れ製品Yのページを見たが購入に至らなかった顧客Xに対し、あなたのWebサイト外においても製品Yの広告を継続的に表示させる、という基本的な仕組みに過ぎない。

リターゲティング1.0

リターゲティング広告によるキャンペーンの基本的な実施方法は入札だ。例えば過去30日間にあなたのWebサイトを訪れたユーザーを対象に2ドルで広告入札を行うとしよう。通常、多くの広告会社は、単純に2ドルという入札価格だけを設定する。どのサイトで、誰に対し、ページ内のどの枠で、1日のどの時間帯に表示するか、といったことは考慮されない。

結果として、あなたのサイトを訪れた全ての人々がWeb上のあちこちで同じ広告を繰り返し目にすることになる。

この基本的なリターゲティング広告手法は顧客にも、広告主のためにもならない純粋な“数字遊び”にすぎない。確かに数の上では多くの人々にリーチ出来るだろう。だが、大多数の人々はその広告になんら関心を示さない。それどころか、あまりに頻繁に同じ広告があらわれることによって、一部のユーザーはあなたのブランドに対しネガティブな印象すら持ちかねない

それにもかかわらず、この画一的なリターゲティング広告手法は、他の広告商品よりも良い効果が高い(ように思える)ため多くの広告主によって利用されており、その結果にも満足しているのが現実だ。

しかし今、AIを駆使した新たなリターゲティング広告手法-リターゲティング2.0と呼ばれる-が息吹を上げている。リターゲティング2.0は、FICOスコア(個人の信用力を評価した指標)などの関連するデータを、継続的に分析する。これにより、過去に興味を示した製品の広告を表示し続けるのでは無く、“その人物が今現在最も関心がある製品”の広告を表示することが出来るのだ。

リターゲティング2.0: AIを活用したリアルタイム分析

AI(人工知能)こそが、新たなリターゲティング広告のキモだ。特定の個人が、いつ、どこで、どのくらいの頻度で、どの広告に関心を示すかを予測し、リアルタイムでその広告を表示する。この技術は見込み顧客のWeb上での行動を分析する。

その顧客がその広告を何度目にしたか、その広告に対しどのように反応したか、といったことだ。その上でその広告のパフォーマンスをサイト毎に分析し、リアルタイムな行動分析を基に見込み顧客のグルーピングを行う。その上でそれぞれのセグメントに最適な表示頻度で然るべき広告を表示するのだ。 この進歩したリターゲティング広告技術は複数の情報を基に特定のインプレッションの評価を行う。下記に例を示そう。
  見込み顧客は過去30日以内に広告主のWebサイトを訪れていた:+1000ポイント ? 見込み顧客と他の購買顧客の行動の間に5つ以上の共通点がある:+318ポイント ? キャンペーンにおいてその特定のサイトは高い成約率を示している:+282ポイント ? 現在時刻は11:18pm 深夜帯には成約率が低下する:-184ポイント ? 顧客の利用ブラウザはMozillaであり、成約率は平均よりも低い:-295ポイント

このようなスコアカードと膨大なデータを基に、このAIを利用したリターゲティング広告プラットフォームは一日に数十億もの広告表示機会のリアルタイム評価を行うことが出来る。それをもとに最も効果が高いと予測される広告だけを表示するのだ。

リターゲティング広告は進化を続けている。AI技術の成長により洗練を続けるその手法はすでに2.0から3.0へと進んでいる。広告主のニーズは今やAIによるソリューションを提供する最先端のリターゲティング広告業者に集中しつつある。AIは従来のリターゲティング広告を、正しい顧客に対し、然るべきタイミングで、最適な広告を届けるための緻密な科学的手法へと変容させ得る。これによりリターゲティングは広告主にとっても顧客にとってもより良いものとなるだろう。 The end of traditional retargeting– iMediaConnection.com

まとめ

どうだろう?あなたの欲しいものを予測して表示してしまう。これぞ、究極広告と言えるのではないだろうか?このように、ウェブ広告、特にリターゲティングと呼ばれる広告は、もの凄い勢いで進化していっている。 Facebookもリターゲティング広告に取り組んでおり、リターゲティングというキーワードは要注目だ。今後も面白い最新動向をお伝えするので期待して頂きたい。

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