Facebook、リターゲティング広告で急成長なるか?

コンテンツマーケティング

先日、ビジネスインサイダーに興味深い記事が出ていたので、要旨をご紹介しよう。タイトルは、「Facebookの悲惨な事実:今まで間違ったビジネスモデルを追いかけてきた事が明らかに」(It’s Become Tragically Clear That Facebook Chased The Wrong Business For Years)という刺激的なものだ。 タイトルは極めて刺激的だが、内容は非常にまともだ。Facebookの収益の柱である広告が、従来のユーザー属性に基づく広告(ターゲット広告)から、ユーザーの閲覧履歴に基づく広告(リターゲティング広告)にシフトしていくという内容である。

リターゲティング広告は、今のWEB広告の分野において一番ホットな領域であり、ぜひ抑えておいた方がいいトピックだ。

以下、ビジネスインサイダーの記事を参考にご説明しよう。

Facebookが現在販売している広告商品:ターゲット広告

Facebookが、現在販売している広告商品はターゲット、これまでターゲット広告と呼ばれる広告を販売していた。 Facebookターゲット広告 Facebookにアクセスした際に右側に表示される広告が、ターゲット広告と呼ばれるものだ。

なぜ、ターゲット広告と呼ばれるかというと、ユーザーの属性情報(年齢、性別、住所)と趣味・関心事などを指定して、ターゲットを絞り込んで広告を出稿できるようになっているからだ。

過去5年に渡り、Facebookはより精緻な属性情報を指定することが出来るようにすることでこの伝統的な広告販売手法を進化させようとしてきた。ターゲットの居住地、性別、年齢のみならず、Facebookは彼らがどこで広告を見ているか、既婚であるのか未婚なのか、さらには何に興味を持っているのかといった情報まで提供することが出来る。これらの付加情報はFacebookにとって巨大な価値を持つ金脈であり、大きな広告売上をもたらすこととなった。やがて、Facebookの広告事業は年間50億ドル近くまで成長した。

広告の取引市場Facebook Exchange(FBX)をオープン

一方、Facebookは、最近リターゲティング広告のテストを行っていて、非常に大きな成果を上げているという。

“Facebook Exchange(FBX)”と呼ばれる広告の取引市場をオープンした。ここではFacebookが選んだ数十の広告会社が広告枠を購入し、リターゲティング広告を利用するマーケターに販売する事が出来る。

リターゲティング広告とは?

さて、リターゲティング広告に馴染みの無い人に、リターゲティング広告について簡単に説明しよう。

あなたが、ネットサーフィンをしていて、ワインのサイトを訪れるとしよう。ワインを色々と探して気に入ったワインを見つけたとする。でも、結局、その場では買わずにサイトを離れる。そして、その後あなたが全く別のWebサイトを見ていると、あなたが気に入ったワインの広告が画面上に表示されるのだ。

どうして違うWebサイトを見ている時に、ワインの広告が表示できるのか?これはワインのサイトを訪れたときに、ブラウザに訪問記録を残す仕組みになっているからだ(cookieと呼ばれる)。リターゲティング広告は、このCookieの情報を参照し、あなたがワインのサイトを訪れ、特定のワインを閲覧した事を理解する事が出来るのだ。

このリターゲティング広告は、近年Webマーケティングで大変注目されている。

なぜなら、あなたが実際に閲覧した商品情報に基づいて広告を出すので、非常に高いクリック率を実現できるからだ。

リターゲティングでFacebookの広告枠の価値が数倍に

これまでの実績だと、リターゲティングを導入する事でFacebookの広告枠の価値が数倍に跳ね上がるという。

FBX内でFacebook広告を取り扱うTriggit社のCEOであるZac Coelius氏は、FBXでの広告購入は広告主にとって非常に投資収益率が高いという。Facebookが仮に全ての広告枠を現在のユーザー属性ターゲティング広告ではなくリターゲティング広告として売ったならば、今の価格の3倍は課金できるほどに。

Coelius氏は以下のように主張している。 “18ヶ月後にはFacebook広告枠の大半はリターゲティング広告として売られるようになり、その価格は現在の数倍に値上がりするだろう”

リターゲティングはFacebookの新しい成長エンジンとなる

ビジネスインサイダーでは、Facebookが、リターゲティング広告を導入する事で、Facebookは新しい成長エンジンを見つける事が出来たとしている。ただし、リターゲティング自体が新しいモデルではなく、導入が遅すぎる事を批判している。

新規上場時にFacebook株を購入した株主にとってフラストレーションがたまっていることといえば、Facebookにとってリターゲティング広告は新しい手法だが、リターゲティング広告そのものは全く新しくもなんともない、ということだろう。リターゲティング広告に関して言えばヤフーはもう何年にもわたり成果を上げている。

皮肉なことにFacebookは既存のツールがきちんと機能している時に多大な時間をかけて“新しく、進歩した”広告を追い求めてきた。良いニュースは、リターゲティング広告はFacebookにとって喉から手が出るほど欲しかった新しい成長エンジンになるであろうということだ。

Facebookがリターゲティングに取り組むのが遅れたのは事実だろう。しかし、我々マーケティング担当者の関心時は、この新しい広告商品をどのようにビジネスに活用して行くかだ。実は、国内でも、トーチライトがFacebook Exchangeの取扱いを開始している。興味のある方は連絡を取ってみてはいかがだろうか? トーチライト、日本国内初「Facebook Exchange」の取扱いを開始 -米国のDSP、Triggit社と業務提携- 出典:It’s Become Tragically Clear That Facebook Chased The Wrong Business For Years

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