米企業のソーシャルメディア予算急増、今後5年で3倍に

コンテンツマーケティング

最近のFacebookの利用者数増に伴い、マーケティングにソーシャルメディアを活用しようという動きが再び活発になってきているように思える。マーケティングの先進国である米国の大手企業の動向をウォッチし、ソーシャルメディアの今後を占っていこう。

今回は、米国のマーケティング担当役員への調査CMO Surveyを取り上げる。

1 ソーシャルメディア予算が急増、5年後にはマーケ予算の20%へ

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まずはこちらのスライド。マーケティング予算全体に占めるソーシャルメディア予算の割合である。

まず、現状のソーシャルメディア予算の割合は7.4%。この数字は、日本の現状からすると、相当大きい数字という印象だ。

そして、ソーシャルメディアへの支出は今後12カ月で10.8%、そして5年間後には、なんと19.5%を占めると回答している。

米国企業は、ソーシャルメディアに真剣に取り組んで行く事を明確にしている。

なお、類似の調査を紹介しよう。グローバルマーケティングの担当者への調査だ。今年最も高く期待するデジタルマーケティング手法として、ソーシャルメディアへの取組み(54%)が1位となっている。2位以下のモバイルの最適化(38%)、コンテンツの最適化(37%)などを引き離している。(Econsultancyとアドビが共同で行った調査(2012年2月))

 

2 B2C製品ビジネスがソーシャルメディア支出を牽引していく

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こちらは、アンケート結果を業種別に分類したものだ。B2Bの製品ビジネス、B2Bのサービスビジネス、B2Cの製品ビジネス、B2Cのサービスビジネスと分かれている。

左側の見出しの一番上、”Current Social Media Spending”の所を見て欲しい。これは、現時点でソーシャルメディアにどの程度の予算を割り当てているか、という項目だ。

まず、B2Cの製品ビジネスの企業が9.6%と高い数字を示している。やはり、B2Cのビジネスとソーシャルメディアは相性がよいという事なのだろう。

一方で、B2Bの製品ビジネスの企業も6.2%となっている。これは案外高い数字だ。米国では、B2B企業も積極的にソーシャルメディアに取り組んでいる。

次に、その下、"Social Media Spending in the next 12months"と、Social Media Spending in the next 5 years"を見てみよう。

リードしているのは、B2Cの製品ビジネスの企業である。12ヶ月後には15.3%、5年間後にはなんと23%へと達する

B2Bの製品ビジネス企業の5年後の支出は、他の業態と比較して最も低い。ただし、割合は18.5%で大きな支出を見込んでいる。

 

3 ソーシャルメディアは、勝ち組と負け組の2極化へ

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さて、こちらのスライドは、右側のグラフを見て欲しい。

自社のマーケティング戦略にソーシャルメディアをどの程度統合できているのかという質問だ。回答は7段階であり、1がもっとも統合できていない、7が最も統合できているという評価だ。

ここから読み取れる事実は2つ。

1点目は、ソーシャルメディアをマスターしている会社はまだ少ない。7段階の7と答えた会社がわずか7%だ。6と答えた人と合わせても全体の20%程度。先進的な企業はまだまだ一握りなのだ。

2点目は、ソーシャルメディア利用の2極化が進んでいるという事である。

グラフを見ると、山が2つある。1番左の「統合できていない」会社と、5番目「割と統合出来ている」会社だ。

これを見ると、ソーシャルメディアの活用において、勝ち組と負け組に2極化しつつある様子が読み取れる。

ソーシャルメディアでは、どんどん新しい技術やサービスが登場する。

企業のマーケティングも、ソーシャルメディアにまだ対応しきれていないというのが正直な所だろう。

一方で、先進的な企業は、ソーシャルメディアをどんどん取入れており、結果として差が開いているのかもしれない。

 

4 社内のソーシャルメディア担当者を増加させる動き

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こちらのグラフは、ソーシャルメディアを担当している人員数の調査だ。

左側がインハウス(社内)の人員、右側が外注先の人員数である。

特に目を引くのは、インハウスの人員増加だ。前年の5.3人から9人へと大幅増となっている。外注も1.8人から4人に増加しているが、やはりインハウスの人員増の方が顕著である。

これは納得できる動きだ。

ソーシャルメディアは、プランニング、実行、レポーティング、フィードバックなど一連のサイクルを回すのに手間がかかる。また、キャンペーンのPDCAのサイクルが短い。やはり、社内のソーシャルメディアスタッフの体制を厚くしていく必要があるのだろう。

 

5 マーケティングは分析重視の時代へ

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こちらのグラフは、企業がマーケティングの分析活動に割当る予算の割合を示している。

現状はマーケティング予算の5.7%程度だが、3年後には9.1%への増加するとの回答だ。これは実に60%の増加である。

ソーシャルメディアやモバイル、Eコマースなど、いわゆるデジタルマーケティングが進んでおり、分析のニーズが強まっているためだろう。

 

まとめ

大きなポイントをまとめると、以下の3つになるだろう。

  1. 5年後には米国企業のソーシャルメディア予算の割合が全体の20%に
  2. ソーシャルメディアへの取組は、2極化しつつある
  3. ソーシャルメディアを担当する人材を補強する動きが顕著
  4. マーケティングは分析が重要な要素に

どうだろうか?参考になっただろうか?

米国の積極性が良くわかったと思う。一方、日本企業は、まだ様子見モードが続いているという印象だ。先進的な米国企業の動きを研究し、自社のマーケティングに活用していくのがおすすめである。

出典:Fuqua CMO Survey(リンク先はPDFファイル)

CMO調査は年9回オンラインで実施されている。最新の調査は2012年1月31日から2月16日に行われた。サンプル数は269で、そのうち部長以上の役職につく人の割合は91.2%だった。

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