アメリカで配送サービスの競争が加熱。アマゾン対ショップランナーの熱い戦い

EC(Eコマース)

アメリカのEコマース業界で、配送サービスを巡る熱いバトルが起きている。戦いの先陣を切ったのはアマゾン。セブンイレブンと提携して、店舗受取りを開始したり、シアトルでアマゾンロッカーと呼ばれる宅配ロッカーを設置する実証実験を開始している。そして、今回、アマゾンに対抗して送料無料サービスを提供するベンチャー企業ショップランナーが、アマゾンロッカーと類似の商品受取りサービスを提供する会社を買収したとの事である。以下、記事を紹介しよう。

アメリカで配送サービスの競争が加熱

アマゾン対ショップランナー

アマゾンは業績が絶好調で、2011年の売上は、対前年度比でなんと40%増の成長を示している。売上規模としては、 $73.39B(5.8兆円)に到達しており、イトーヨーカドーとほぼ同等の売上規模まで成長している。この規模で年率40%成長を続けているのだから、恐ろしい成長スピードだと言えるだろう。(Amazon 40%成長の衝撃 ー 米国のEC市場レポート)

 

このように無敵に見えるアマゾンだが、唯一の弱点は実店舗を持たないため、コンビニ受取や店舗受取サービスが出来ない事であった。そして、昨年より、アマゾンはこの弱点を克服すべく、「アマゾンロッカー」と言われるサービスを開始した。これは、街に宅配ロッカーを設置して商品を受取れるというサービスである。(アマゾンの本拠地のシアトルで開始し、バージニア州など他の地域へ順次拡大中との事)

 

更には、アマゾンは、彼らの売上成長の原動力となっている、送料無料の配送プログラム「アマゾンプライム」を、他社にも拡大することを計画中であるという。

 

これによりショップランナーとガチンコの対決をする事になる。

ショップランナーとは、自社サイトを運営する事業者向けに、送料無料プログラムを提供する会社だ。ベンチャー企業ながら、サービス開始から1年で1億ドル(80億円)を売上るなど好調が伝えられている。

これまでショップランナーは、「アマゾンプライム」に対抗し、送料無料で2日間以内に商品を届けるサービスを提供してきた。そして、今回の買収により、 アマゾンの宅配ロッカーサービス「アマゾンロッカー」に対抗するサービスの提供を開始していく。 そして、ショップランナーは本日、ピックアップ・ゾーンを買収することを発表した。これは「アマゾンロッカー」を意識した動きである。これにより、ショップランナーは、米国に3万以上の商品受取所を設置し、ピックアップサービスを開始していくと発表している。ショップランナーは、 トイザらス、アメリカン・イーグル、ペッツマート、スポーツ・オーソリティなどの、リアルの店舗を多数持つ、大手小売事業者を顧客として抱えている。彼らの店舗網を最大限に活用していくと発表している。

まとめ

アマゾンが配送受取サービスを充実させることでリアルの小売事業者をますます追い詰めている。一方で、ショップランナーは、リアルの小売事業者をネットワーク化する事で、アマゾンに対抗しようとしている。このバトルは今後も加熱していきそうで、しばらく目が離せない展開が続きそうだ。

一方、日本についても今後新しい展開が期待される。楽天は、楽天物流というサービスを提供しているし、Yahooはアスクルと組んで配送サービスを強化しようとしている。ショップランナー型のビジネスモデルは登場していないが、今後、現れる事が予測される。要注目だ。

出典:

Bricks vs. Clicks: ShopRunner Takes Aim at Amazon’s Lockers With PickupZone Acquisition

Amazon’s delivery lockers emerge from stealth mode

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