ショールーミングに対する小売店の3つの対策

EC(Eコマース)

昨日のブログ記事でShowroomingについて書いた。このような動きにアメリカの小売店は、どのように対応しているのであろうか?その動向を紹介したい。

ショールーミングに対する小売店の3つの対策

1 オリジナル商品を作る

ディスカウント大手のTargetが力を入れているのは、ECサイトの競合が扱っていない独自商品の開発だ。独自商品を開発する事が出来れば、ネットと比較できないので、価格競争から逃れる事が出来るという訳だ。 これは従来から行われている施策だが、特徴的なのは、Targetが今年の初めに、社長と購買担当役員の連名で、 全ての取引先に対して、独自商品の開発に協力するよう依頼のレターを送付したという点だ。Wall Street Journalによると、以下のような文章を送っている。

“What we aren’t willing to do is let online-only retailers use our brick-and-mortar stores as a showroom for their products and undercut our prices without making investments, as we do, to proudly display your brands,”

ネット専業の小売店が、我々のリアル店舗を自分達のショールームのように利用するのを放置しておくことは出来ない。我々は、御社の商品に美しく見せるために投資しているのに対して、彼らは投資をする事もなくただ安売りを行っているのだ。

どうだろうか?Targetの感じている問題の深刻さが伝わってくるのではないだろうか?

2 ECとリアル店舗の連携強化

Walmartが進めているのがECとの連携だ。ネットで注文して店舗で受け取れるプログラム(Instore Pickup)を強化している。店舗で商品受取りをすると送料が無料になるプログラムで、商品の受け取りに来店した客が、店舗でついで買いをする効果を狙っている。また、もう一つの施策はEndless Aileと言う施策。これは、店舗に来店した客に対して、商品の品揃えが豊富なECサイトに積極的に誘導する事で、品切れによる機会ロスを防ごうという施策である。

これまで、一般的には、リアルの店舗とECサイトは、別の販売チャネルとして扱われる事が多く、相互送客というのは非常に難しかった。Walmartの今回の取り組みは、ネットからリアルへ、リアルからネットへという相互送客を実現する上で、非常に興味深いと言える。

3 モバイルの連携をする(O2O)

WalmartとTargetは、スマートフォンに力を入れる事で、リアル店舗やECサイトに送客する事に力を入れている。ユーザーがお買い物リストの作成出来る機能や、セール情報やクーポンなどをプッシュで配信する機能、そしてポイントプログラムなどを提供している。

特にクーポンに関しては、顧客の購買動向に基づいて、個別にクーポンを配信し、購買を促す事が出来るようになっている。これにより、顧客毎に価格を”パーソナライズ”する事が出来る。価格に敏感な顧客には割引クーポンを送る、あるいは、リピーターにしたい顧客にクーポンを送るというような事が出来るようになるのだ。

このクーポンのパーソナライズは、ショールーミングに対する有力な解決策と見られている。

ショールーミング対策のまとめ

スマートフォンが普及するにつれ、ショールーミングは、ますます大きな問題となっている。リアルの小売業は、様々な模索を行っているがおわかり頂けたと思う。個人的には、上記の中で、もっとも可能性が大きいのは、モバイルとの連携(O2O)だと考えている。

参考資料: Showdown Over ‘Showrooming’ Can Retailers Halt ‘Showrooming’?

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