「着せられる」服から「着る」服へ!モデルが自ら選んだアイテムでInstagramを彩る「Aritzia(アリツィア)」

EC(Eコマース)
カナダ・バンクーバー生まれのブランド「Aritzia(アリツィア)」は、今秋のコレクション「Fall For Us」で、「Instagramセントリック」な(Instagramを中心に据えた)キャンペーンを展開している。
通常、アパレル業界では、ブランド色の強い洋服を専属のモデルに着せ、季節ごとのコレクションを消費者にアピールする。ブランドとして押し出したい「服」がはじめにありき、である。
しかし、今秋のアリツィアは違う。モデル自身が選んだ秋のコレクションを、モデル自らが着る。ブランドが打ち出したいイメージや、その服がモデルに似合うかどうかは関係ない。ただ、好きなデザインを好きなようにモデルが着るというものだ。服を選ぶ「人」(モデル)がはじめにありき、なのである。
出典:Aritzia公式サイト
「人間味あふれる」モデル起用戦略
コレクションのルックブック(カタログ)に、専属モデルは使われていない。では、誰がそのモデルを務めているのか?
なんと、現在若い女性に影響力のある、約90名以上の女優・アーティスト・ミュージシャン・有名スタイリスト・エディターがモデルだ。
彼女たちは、自身で選んだコレクションのアイテムを身にまとって、ポージングをしたり、大笑いしたり。とてもナチュラルな写真が印象的である。このような個性あふれる写真の1枚1枚は、見る側からしても、とても親近感が湧いてくる。
また、それだけではなく、同社のウェブサイトには、写真撮影後の彼女たちがアリツィアから色々な質問を投げかけられ、それに答えているビデオが収録されている。
写真だけでなく、モデルとのインタラクションを試み、自然な笑顔を引き出すことに成功している。また、このビデオは、ファンにとっても、日頃見られない有名人の素顔を垣間見ることができる、特別な映像である。
セルフィー(自分撮り)戦略
アリツィアはファンにも、最新コレクションから選んだお気に入りの服やアクセサリーを身に着けて、セルフィー(自分撮り)してもらって、それを自身のInstagramに投稿するよう促している。その際に、以下の文章の空欄を商品名で埋め、ハッシュタグ「#Fallforus」を付け加えてもらっている。
“I fell for _____@Aritzia. #Fallforus” (Aritziaの○○に惚れた。 #Fallforus)
ソーシャルネットワーク上でのセルフィーは、今や当たり前となっており、現在の若者が、最も時間を費やしているアクティビティのひとつだ。
自分の好きなブランドのお気に入りの新商品を着て、セルフィーを撮る。そして、たくさんの人に、「いいね!」や「シェア」をしてもらう。多くのユーザーのこれらの行動が、ソーシャルプルーフとなり、アリツィアにとっても宣伝効果は抜群である。
Win-Winコンテスト
Instagramに投稿したファンの中から、抽選で6名に、総額2500ドル分のギフトカードが当たるという企画が行われ、5週間にわたるキャンペーン期間中、毎週1名に100ドルのギフトカードが渡される。また、グランプリを獲得したファンには、2000ドルのアリツィア専用ギフトカードが贈られるというコンテストも開催している。
ファンは容易に応募ができ、運が良ければ、ギフトカードをゲットできるかもしれない。そんなゲーム感覚で参加できるキャンペーンは、楽しくてワクワクするものである。
同社にとっては、ファンに宣伝活動を行ってもらい、広告費をかけずにブランドの知名度をあげられるなど、うれしいことばかりだ。そう考えると、2500ドルは破格の宣伝費用だろう。
まとめ
アリツィアは、今秋のコレクションが着やすく素敵なデザインであることを上手くアピールしている。しかしそれ以上に、「これらの服を着ている人たちが、素敵に輝いている」というメッセージをファンに伝え、頑張る女性を応援している。
このようなメッセージ性の強いキャンペーンに、インタラクティブなソーシャルメディアを利用すれば、多くの人たちの関心を引き寄せることができる。
あなたの会社も、ソーシャルメディアを中心とした、メッセージ性の強いキャンペーンの開催を計画してみてはいかがだろうか。
参考元: Canadian Retailer Enlists Style Makers in Instagram-Centric Campaign Aritzia Instagram Aritzia
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