シェアされたければ、ネタを提供しよう!

コンテンツマーケティング

「話題になりたい」、「シェアされたい」と思っていても、思った通りにいかないのがソーシャルメディアマーケティングの難しいところ。ユーザーが自発的に自社製品を広めてくれる、いい方法はないものだろうか。マーケティング担当者は、いつもそんな悩みを抱えていることと思う。

そんな難問を、いとも簡単にクリアしてしまったキャンペーンを見つけたので、ぜひ紹介したい。新しい企画を考える際のアイデアソースとしても優秀なこの事例、参考にしてみてはいかがだろうか。

シーズンに向けて、ひげを付けよう

まずは、そのキャンペーンに使われたツールをご覧いただきたい。ジョークグッズかと思うような、何ともユニークなアイテムだ。これだけで「なるほど! その手があったか!」と思った方は相当に勘がいい。

20140217挿入画像17-Eleven? Rolls Out Mustache Straws, Mason Jar Mugs for Slurpee Summer of Fun

これは、アメリカのセブンイレブンが販売している「Slurpee」というシャーベット飲料だ。リピーターのために、リユース可能なプラスチック容器が用意されており、この容器を一緒に買った人は初回の「Slurpee」は無料、2回目以降は割引されるという特典がある。

そして、暑くなるシーズンに向けて同社が行ったキャンペーンが、写真でご覧いただいたように、ストローにひげを付けるというもの。飲むためにストローに口を付けると、口ひげを生やしたようなユニークな外見になる。こんな面白いアイテムがついてくるなら、思わず「ついで買い」をしてしまうのではないだろうか。

セルフィーと結びつけることにより、ソーシャルメディアで大流行!

このキャンペーンが秀逸なのは、単に笑いを提供しているという部分だけではない。

「ひげストロー」の販売が始まると、Instagramなどのソーシャルメディアでひげ付きのセルフィー(自分撮り)をアップする人が続出し、大きな話題となった。

セルフィーは、イギリスのオックスフォード大学出版局が2013年の流行語として選出するなど、もともとソーシャルメディアで流行していたという経緯がある。そこに目を付けた同社は、自分撮りの格好のネタになるアイテムを提供することにより、ソーシャルメディアでの拡散を狙ったのだ。

実際にInstagramを見てみると、「Slurpee」を片手にひげを生やしたユーザーの写真がアップされており、楽しんでこのキャンペーンに参加していることがうかがえる。もちろん、この写真をアップしたからといって、何か特別なサービスを受けられるわけではない。

何かの見返りを求めるわけではなく、ユーザーはあくまで自発的に商品を広めてくれているのだ。個人の顔写真のため、ここで紹介するのは控えておくが、検索すると相当数の写真がヒットする。気になる人はぜひ探してみてほしい。

商品が一緒に写り込んでいるという宣伝効果もさることながら、「ひげストロー」のセルフィーを見たユーザーが「私もこんな写真をアップしてみたい!」と考えて、商品を購入する姿が目に浮かぶようだ。

シェアされたければネタを提供すればいい、という発想の転換

このキャンペーンのカギとなった「ひげストロー」自体は、それほど珍しいものではない。パーティグッズ売り場に行けば、簡単に見つかりそうなものである。

しかし、そのありふれたアイテムをセルフィーと結びつけ、ネタを提供するという鋭い視点が、このキャンペーンの成功を呼び込んだといえるだろう。

この発想の転換を、ソーシャルメディアマーケティングの担当者は、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。

参考元:?7-Eleven now selling hipster Slurpees with mustache straws, mason jar cups?7-Eleven Targets Hipsters With Mustache Straws & Mason Jar Slurpees

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