雑誌に寄稿する時の5つのコツ

コンテンツマーケティング

先日発売された「事業構想」の10月号に寄稿させて頂きました。今回は、スターバックス特集号という事で、私は、スターバックスが表参道に開いた期間限定ストア(ポップアップストア)について執筆させて頂きました。

見開き2ページ、テーマはスターバックスの期間限定ストアについてです。雑誌に寄稿させて頂くのは初めての経験でしたが、なかなか勉強になりました。

今回、学んだ事は以下の5項目です。

1 限られた字数でしっかりと情報を伝えるのは意外に難しい

限られた字数内でしっかりと情報を伝えるのは、難しい事を痛感しました。
今回は見開き2ページで1600字という制限字数を頂いたのですが、記事を書いているうちに伝えたい事が多すぎて、最初のドラフトは6000字をオーバーしていました。そこから本当に伝えたい事って何だろう?と自問自答し、余計な情報をそぎ落として行きました。結果的に、自分でも満足いく記事が書けたと思います。

2 事前のリサーチが重要

今回は、初めての雑誌の寄稿という事もあり、入念にリサーチを行いました。週末の2日間をかけて、海外のポップアップショップの事例、最近のスターバックスの動向などを徹底的にリサーチしました。特に海外のポップアップストアの情報は大量に集めました。英文の資料で14ページ、19000単語の参考資料を準備しました。

3 しっかりとテーマを決めておく必要がある

今回、記事を書く上で役にたったのは、記事の中心となるコンセプトを設定した事でした。

参考になったのは、スターバックスのプレスリリースにあった「原点回帰」というフレーズです。そして、スターバックスの原点って何だろう?って考えると、一杯のコーヒーでゆとりのある時間を提供する、というコンセプトが浮かび上がってきました。

もう少し説明しましょう。

スターバックスのコーポレート・ミッションにはこのように書かれています。

To inspire and nurture the human spirit-
One person, one cup, and one neighborhood at a time.

人々の心を豊かで活力あるものにするために―
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから

スターバックス・コーポレート・ミッション

以前にスターバックスの創業者ハワードシュルツ氏の本を読んだのですが、彼は、イタリアのバールでコーヒーを飲んだのが、スターバックス創業のきっかけなのです。彼の思いは、ただコーヒーを出すだけではなく、イタリアのバールのような、スローで豊かな空間を再現する事だったはずです。その想いが、スターバックスのコーポレートミッションになり、そして、今回のポップアップストアのテーマになっているのだろうと考えました。

4 何回も見直しをして、どんどんブラッシュアップする

中心となるコンセプトが決まると記事の執筆はどんどん進みます。勢いに任せて一気に記事を書きます。そして、最後に何度も見直しをします。この時のポイントは、原稿を実際に紙に印刷してみる事、原稿を読みながら赤ペンで気になった点を直していくという事です。パソコンでそのまま直せばいいようにも思われますが、僕は、印刷&赤ペンがベストだと思います。

5 友人・知人のレビューをもらう

今回の記事を書く上で、大変参考になったのが、友人・知人のレビューでした。複数の友人・知人に原稿を送って、面白い点、分かりにくい点、もっと深掘りした方がいい点を指摘してもらいました。色々な方から参考になるフィードバックを頂いたのですが、特に、P&Gでマーケティングを担当している中谷和世さんと、米国で国際ビジネスを勉強中の野田美奈子さんのフィードバックは参考になりました。(野田美奈子さんのフィードバックは、サンフランシスコでユニクロが展開しているポップアップストアに関するものです。記事の最後に添付します)

ページのサンプル

出来上がった記事のイメージはこちらです。画像が小さくて恐縮です。実際の文章を読んでみたいという方は、是非「事業構想」をお手にとって頂けたら幸いです。


(参考情報)ユニクロのポップアップストアについて
野田美奈子さんから教えて頂いたユニクロのポップアップストアに関する情報です。

野田さんから頂いたコメント
「事業構想へのご寄稿、おめでとうございます!(宗像注:ありがとうございます。笑)ポップアップストアについてもカバーされているのは新鮮でした。今回もおもしろく、勉強になりました。ポップアップは書かれていたようにbuzzを呼ぶ、口コミ効果、知名度アップには最適ですし、企業側の市場・商品テストとしても使われることもありますね(新しいマーケットを試す、ビジネスアイデアを吟味するなど)。

ちょうどSFではユニクロのポップアップストアがオープンしたところです(正規店舗は別の場所で近々オープン)。ポップアップストアがあるのが競合店(GAPなど)のカジュアルアパレルが多く並んでいる通り・場所で、ユニクロをターゲット層に知ってもらうにはいい場所です。そして、あえて行列を作り注目させていたところが上手だなと感じました(店に沿って行列ができていたのですがこれは店に入るための行列ではなく、イベントの行列でした)。人の流れを観察していたら、
・行列、お祭りっぽいものを見て歩行人が店に近づく(か、写メを撮って去っていく)
・店の前にたくさんいるスタッフに質問(この行列は何だ、と)
・スタッフがパンフレットを渡しつつ説明(ユニクロの説明、新規店舗は~で近々オープン予定+これはイベントの行列、店内は自由に入ってください、とも)
・店内を見たり、離れて写メを撮ったり(おそらくその後SNSでシェアしているのかと)。
・一部の人は、ゴミ箱のそばの古紙が置いてあるところにカタログを置いて去っていった

少し残念だったのは、配布していたパンフレット(カタログ)が厚いからか途中で廃棄されているものを見つけたことです。SFは各コーナーにゴミ箱(やリサイクルBOX)があるので、重たい・分厚いとそこに入れられてしまう可能性があります。よりシンプルなもの・家に帰って人とシェアするのが楽しくなるような工夫をすれば、途中で捨てられてしまうリスクが減るのではと感じました。

とはいえ、ユニクロSF店は、このポップアップだけではなく、バスの外側にかなり前から広告を出しているし、いろんなチャンネルを使って上手にbuzzを生んでいるように見受けられます。また、ユニクロUSは日本らしさを出すために(?)、洋服に「テクノロジー(日本の優位があるところ、高品質)」を持ち込んだ、というメッセージを日本よりも強めに出しているように感じます。」

どうでしょうか?海外の現地情報なんで大変参考になりますね。ユニクロの取り組みにあるように、ポップアップストアは、ブランドの強みをアピールし、顧客体験を作り込むには、最高の手法です。ただし、効果を最大化するには、実行フェーズがキーポイントになる事が判りますね。

参考記事

月刊「事業構想」に寄稿します

人気記事