まぎらわしいカタカナ用語から考える、企業がSNSで成功するための3つのポイント

コンテンツマーケティング
FacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を制することは、コンテンツマーケティングを成功させる大きなキーポイントだ。 今回は、初心者にもわかりやすいように、まぎらわしいカタカナのマーケティング用語・IT用語の意味を解説しながら、ビジネスとしてSNSを活用するためのポイントを考えてみよう。
キーワードその1:インタラクティブ
「インタラクティブ」は、対話、双方向、相互に作用する、という意味である。 人はなぜSNSを利用するのか? ほとんどのユーザーのきっかけは、「人と人とのつながり」を求めてである。 しかし、個人間では比較的バランスよく行われている交流が、企業対ユーザーとなった途端に、企業側の一方的な広告活動で終わっているケースをよく目にする。
多くを語り、エンターテイナーとしてユーザーを楽しませることも大事だが、まずは、話し上手より、聞き上手になることを目指したい。米国のマーケティング専門家、バリー・フェルドマンが言っている通りである。
ユーザーの声なき声を傾聴することで、ユーザーの良き理解者となり、ユーザーの心を開かせ、ユーザーが何かを語りはじめるようにすることが大切なのだ。 ユーザーと気持ちよく情報のキャッチボールができる環境をつくることは、SNSで信頼関係を築き、好感度の高いコンテンツを作るための第一歩といえるだろう。
キーワードその2:バイラルマーケティングとバズマーケティング
「バイラル(viral)」は、「感染的な」という意味で、情報がクチコミで伝わっていく仕組みをウィルスの感染・増殖にたとえている。「バズ(buzz)」は、「蜂がブンブンと飛ぶ音、騒音」という意味で、こちらもクチコミで情報が拡散されていく様子を指している。 いずれも「クチコミ」の力を利用しているため、SNSと非常に相性の良いマーケティング方法だ。
しかし、バイラルマーケティングが、人から人へ「メッセージを拡散させていくこと」が目的であるのに対し、バズマーケティングは、人々が興味をもち、関心をひくような「コンテンツをつくる」ことに目的があるのが大きな違いだ。 言いかえると、バイラルマーケティングは、刺激的な情報を多くのユーザーに対して一気に広めることができる反面、その情報がユーザーの興味と一致していなかった場合にはその影響力に限界がある。また、一致していても、一時的なものに終わってしまうというデメリットがある。
いっぽう、バズマーケティングは、インパクトはないかもしれないが、多くの人々が興味をもつようにコンテンツが設計されていれば、有益で価値がある情報が、長期間にわたってユーザーに影響を与え続けることができる。 難易度はかなり高いが、これらの手法を熟知し、企業自身がいわゆる「左脳」で考え抜いたロジックで、商材に徹底的な自信をもち、「右脳」のやわらかな感覚を使って、それを伝えるためのアイディアを生みだすことができれば、ユーザーの心をつかめるだろう。 そうすれば、低コストで、SNSを起爆剤とした一大ムーブメントをブレイクさせることも夢ではない。
キーワード1の「インタラクティブ」でも説明したように、聞き上手の人というのは、多くを語らないわりに、人が思わず語りたくなるような「テーマ」を投げかけるのがとても上手である。 効果的なマーケティングを仕掛け、文字通り「バズる」SNSコンテンツをつくるヒントはここにもありそうだ。
キーワードその3:エンゲージメント
エンゲージメントは、「約束」「誓約」を意味する。その本来の意味から、SNSでは、ユーザーからのブランドに対する「愛着度」や「親密度」を表す言葉として用いられている。特に、Facebookでは「エンゲージメント率」と呼ばれる指標もある。 では、この数値に一喜一憂するのではなく、ユーザーともっと関係性を深め、「絆」を結ぶためにはどうすればよいのか?
エンゲージメントの方法はいくつもあるが、特に効果的、かつ、誰にだってやる気になればすぐにできる方法がある。 それは、ソーシャルメディアで世界一稼いでいるといわれる男、ゲイリー・ヴェイナチャックが「情熱こそすべて!」と語るように、とにかくユーザーにぶつかっていく「心」をもつことだ。
そして、次の言葉もある。 「所詮いくら無機的なHI-TECH(ハイテク)がこれから発達しようとも、人と人の温もりを伝えるHI-TOUCH(ハイタッチ)がより重要になってくる。あなたが気に入られれば、お客さまが勝手に宣伝をしてくれて更なるお客を連れてやってくるのである」(黒木安馬著『出過ぎる杭は打ちにくい!』より抜粋) 人はいつも誰かとハイタッチしたくなるようなシチュエーションを強く望んでいる。そして、本質的に「人」は「人」が好きなのだ。
それらを念頭に、人間味があるわかりやすい表現で、いかにユーザーの目を輝かせるようなストーリーを描いていくのかが、エンゲージメントの醍醐味といえる。それができれば、おのずと「人」は「ファン」となって集まり、自発的に企業を押し上げてくれるだろう。 特にSNSでは、それがとてつもないスピードでの情報の共有、共感へとつながり、次々と良いスパイラルを巻き起こしていくことが可能になるのだ。
まとめ
たった3つの切り口から考えても、SNSを企業が利用する際の具体的な手がかりがいくつか見えてきたのではないだろうか? とはいえ、SNSでのマーケティングは、まだまだ方法論が確立されていない分野である。今だからこそ、既成概念にとらわれず、その企業ならではの独創的で自由な発想をSNSに取り入れることができれば、さらなる発展が望めるのではないだろうか。
参考元: ・世界一のソーシャルメディアマーケターが教える、あなたが本当に身につけるべき10の資質 ・Viral marketing vs. Buzz marketing ・黒木安馬著『出過ぎる杭は打ちにくい!』 ・ゲイリー・ヴェイナチャック著『ゲイリーの稼ぎ方:ソーシャルメディア時代の生き方・考え方』
関連記事: ・コンテンツの拡散力を上げるソーシャルメディア投稿のコツ ・ソーシャルメディアで「社員キャラクター」を作った方が良い理由
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