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イノーバマーケティングチーム2024/02/05 10:41:101 min read

3C分析とは?概要とマーケティングに役立てる具体的な方法を解説

3C分析とは、マーケティング戦略を立てたり事業計画を考案したりする際に用いられるフレームワークです。

3C分析の導入は、自社のマーケティングに足りない要素を見つけたり、具体的な施策や目標を決定したりといったことにつながります。

これから新しい事業をはじめる場合や、現在のマーケティング手法を改善する際には、3c分析の利用がおすすめです。

以下では3C分析の基本と、具体的な分析方法やその目的について解説します。

3C分析とは?

3C分析_1-min.png

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から分析を行うフレームワークです。

それぞれの情報を収集・分析することで、事業に対する外部要因(競合他社や市場)と内部要因(自社の環境)の影響を明確にしたり、マーケティングの方向性を確立したりできます。


3C分析は、コンサルタントの大前研一氏の本である「ストラテジック・マインド ─ 変革期の企業戦略論(1982年)」で提唱された概念です。

上記の図解のような3つの要素の関係性を、同書では「戦略的三角関係(strategic triangle)」と呼称しています。

マーケティング事業の成功を近づけられるフレームワークとして、3C分析は現代でも多くの企業で採用されているのです。

3C分析で見るべきポイントは?

Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの要素には、それぞれ以下のようなチェックすべきポイントがあります。

  • Customer(市場・顧客):顧客の特徴(セグメント)、顕在的・潜在的なニーズ、およびその変化

  • Competitor(競合):市場の変化や外部からの評価にどう対応しているか、および競合他社ならではの特徴

  • Company(自社):自社の長所と短所、外部(顧客や他社)からの評価

各「C」を分析して上記のポイントを明らかにすることで、マーケティングの方向性や目的の「ぶれ」を防ぐことが可能になります。

3C分析を行う目的

3C分析を行う際には、その目的を明確にしておくことが重要です。

何のために3C分析を行うのかが分かっていなければ、ただ時間を浪費するだけで終わってしまいます。

以下を参考に、3C分析の主な目的を確認してみましょう。

顧客や市場のトレンドを把握する

3C分析は、顧客および自社の商品・サービスが展開する市場のトレンドを把握るために使われます。

顧客の嗜好や市場の規模・流行がどのように変化していったのか、これからどんな方向性に向かっていくのかを、データを分析することで明らかにするのが目的のひとつです。

競合他社の情報を確認する

自社のライバルとなる競合他社の情報を収集し確認することも3C分析の目的です。

競合他社がなぜその業界で成功しているのか、もしくはなぜ特定の施策に失敗したのかといったことを、具体的に分析します。

ホームページ上などで公開されているデータはもちろん、競合他社のSNSや利用者の声からリアルな反応を調べるのもポイントです。

自社の現状を分析する

3C分析においては、自社の現状や具体的なデータを明確にして、改善などを行うのも目的になり得ます。

例えば店舗数や顧客数などの外的データを改めて収集したり、アンケートや問い合わせフォームから得た情報をまとめたりといった方法が目的のために考えられるでしょう。

最終的にKSF(Key Success Factor:成功要因)を見つけることが目的

3C分析の最終的な目的とは、KSF(Key Success Factor)の発見です。

KSFとは、自社の事業が成功するための要因を意味します。

成功に必要なKSFを明確にして、それを事業展開のプロセスのなかに取り入れていけば、どんなアクションが必要になるのかが具体的に分かります。

自社の長所を活かしつつ、競合他社との差別化を図り、実際の顧客・市場にマッチした行動を起こすことが、3C分析を行う際のゴールになるでしょう。

3C分析の具体的な方法

Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)それぞれの要素で、分析の方法は異なります。

以下を参考に、3C分析の方法を確認してみましょう。

Customer(市場・顧客)の分析方法

3C分析_2-min.png


Customer(市場・顧客)の3C分析では、主に「マクロ分析」と「ミクロ分析」が用いられます。

マクロ分析とは、客観的な視点で広く市場や顧客の情報を分析する手法です。

具体的には人口の流動や社会の流行など、自社の力では動かすことができない要素をチェックします。

マクロ分析には「PEST分析」という手法が使われ、これは以下の4つの言葉の頭文字を取ったフレームワークです。

  • Politics(政治)

  • Economy(経済)

  • Society(社会)

  • Technology(技術)

これら4つの視点を参考にすることで、景気や流行などの目に見えない要素を明確にしやすくなり、自社に関連する外部の環境を理解することにつながります。


一方でミクロ分析とは、業界の構造や競争状況などを参考に、自社に影響する要素を割り出す分析方法です。

業界の競争環境を確認して、自社が利益を得られるか検討するための方法になります。

ミクロ分析の際に役立つのが、「ファイブフォース分析」です。

ファイブフォース分析は、業界に変化を与える5つの要因を参考に、自社への影響を考えるフレームワークです。

ファイブフォース分析の具体的な要素には、以下の5つがあります。

  • 業界内における競争:競合企業の数や競合企業との品質の差、顧客ロイヤルティの違いなど

  • 買い手(顧客)の交渉力:顧客の数や競合企業が対象としている顧客の違いなど

  • 売り手(仕入れ先)の交渉力:仕入れ先の数や規模など

  • 代替品が持つ脅威:代替品の価格・品質における優位性など

  • 新規参入企業の可能性と脅威:新規参入業者の参入時期・コスト、専門知識、参入障壁など

Competitor:競合の分析方法

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Competitor(競合)に関する分析は、以下の2つの要素を軸にして行います。

  • 事業の成果

  • 成果を得られた理由や要因

競合他社が実際にどのような成果を出しているのか、それによってどのくらいの利益(売上、顧客ロイヤリティなど)を得ているのかを分析します。

利益率や顧客単価、必要になった広告費用などもなるべく細かく算出し、その成果を出すために必要な要素を具体的に割り出すのがポイントです。

続いて成果を得られた理由および要因を明確にし、競合他社の事業背景を分析します。

競合他社の成功を生み出したKSFを分析し、自社の事業に活かせるものがないか確認してみましょう。

Company:自社の分析方法

3C分析_4-min.png

最後にCompany(自社)の分析では、実際に自社がどのようなアクションを起こせるのかを検討します。

自社の内部要因を洗い出し、社員や資金などのリソースを明確にするのがポイントです。

自社の内部要因を明確にする際に便利なのが、「VRIO分析」です。

VRIO分析は、以下の4つの要素によって構成されます。

  • 経済価値(Value)

  • 希少性(Rarity)

  • 模倣困難性(Inimitability)

  • 組織(Organization)

上記の要素をそれぞれ参考にした上で、自社の長所となる部分(競合他社と差別化できる部分)を見つけて、実際に事業を成功させるための計画を立案します。

3C分析とSWOT分析のそれぞれの活用方法

3C分析_5-min.png


3C分析を行う際には、SWOT分析と呼ばれるフレームワークを組み合わせることも可能です。

SWOT分析とは、以下の4つの要素を軸にした分析方法で、自社の内部要因をより深く分析する際に用いられます。

  • Strengths(自社の強み)

  • Weaknesses(自社の弱み)

  • Opportunities(機会)

  • Threats(脅威)

上記の要素をピックアップして、自社の強みを活かす方法や、弱点の克服、リスクの可視化と対策などを考えるのがSWOT分析です。

3C分析_6-min.png

基本的には上記の画像のように、3C分析で業界環境を分析したのちに、SWOT分析で戦略目標を具体化します。

3C分析だけではデータが不十分だと感じたら、引き続きSWOT分析に移行して分析をより進めてみましょう。


SWOT分析はそれ単体だけでなく、それぞれの要素を掛け合わせる「クロスSWOT分析」も可能です。

クロスSWOT分析では、強み×機会、強み×脅威、弱み×機会、弱み×脅威といった形で要素を掛け合わせ、それぞれ対処法や効果を最大化する方法を考案します。

例えば強み×機会の場合には、自社の強みを活かして利益獲得の機会を最大化する方法を考えます。

弱み×脅威の場合には、自社の短所を改善して外部の脅威に対抗する方法を立案します。

3C分析を実施する際のポイント

3C分析を実施する際には、いくつか理解しておきたいポイントがあります。

最後に以下を参考に、3C分析を行うための準備を進めてみましょう。

アンケートなど具体性のあるアクションで情報を集める

3C分析には、自社、競合他社、市場、顧客などの情報が不可欠です。

現在はインターネットで簡単に情報を集められますが、すぐに取得できてしまう表面的なデータだけでは本格的な3C分析には不十分となる可能性があります。

3C分析を行う際には、アンケートや街頭調査など具体性のあるアクションで、リアルな情報を集めるのがポイントです。

実際にその市場や競合他社に関わっている顧客の意見を手に入れることができれば、具体的な分析およびアクションに移行できます。

ネットで集めた情報だけで満足するのではなく、時間とコストをかけて良質な情報を集めることも検討してみましょう。

顧客視点での3C分析も実施する

自社だけでなく顧客視点での3C分析を実施するのもポイントです。

顧客となる企業の環境や市場の情報がなければ、正しい分析は難しくなります。

そこで自社の3C分析と顧客企業の3C分析を合わせた、「6C分析」を実施することも考えられるでしょう。

3C分析で事業の成功に必要な要素を明確にする

3C分析は、新規の事業展開やマーケティングにおける成功を近づけるための重要なフレームワークです。

それぞれの要素を明確にして、必要となるアクションや情報を集めていきましょう。

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イノーバマーケティングチーム

株式会社イノーバの「イノーバマーケティングチーム」は、多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されています。マーケティングの最前線で蓄積された知識と経験を生かし、読者に価値ある洞察と具体的な戦略を提供します。

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