デスクの引き出しに眠る名刺を再活性させる方法

顧客管理/名刺管理

日々の営業活動でお客様から頂く名刺、あるいは展示会やセミナーなどのイベントで獲得する名刺は、BtoBマーケティングにおける貴重な資産です。しかし、せっかく獲得した名刺を営業担当者のデスクの引き出しに眠らせたまま、上手く活用できていないというケースは少なくありません。

この記事では眠っている名刺をデータ化し、営業活動の効率化につなげる方法についてお話します。

BtoBのアプローチはタイミングが重要

近年になってWebを利用したマーケティングが注目を集めるようになりましたが、BtoBマーケティングのリードジェネレーションにおいて、展示会やセミナーなどのオフラインイベントも依然として重要なリード獲得ソースの一つと認識されています。

こうしたイベントでは、パンフレットやノベルティと引き換えに訪問者から名刺を獲得したり、来場者アンケートに名刺を添付してもらったりして、見込顧客の情報を収集する手法が取られます。このようにして獲得した情報はマーケティング活動の貴重な資産となり得るものですが、残念なことにイベント終了後、そのまま営業部門の管理下に置かれてしまうケースはまだまだ少なくありません。

営業部門では獲得した名刺に対してアポ取りを行い、アポが取れたものについては営業訪問を行うなどして当該顧客をフォローします。一方で、アポが取れなかった名刺は「ハズレ」として扱われ、デスクの引き出しに入れたまま忘れ去られてしまいます。また、アポが取れて営業訪問はしたものの、結果として受注にはつながらなかったという場合も、やはりその顧客の名刺は「休眠」させられてしまうケースが多いのではないでしょうか。

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多忙な営業担当者にとって、受注に繋がる可能性の低い顧客をフォローしつづけるのは困難なため、これはある意味仕方のないことです。しかし、アポの取れなかった顧客・受注に繋がらなかった顧客がすべて「見込みナシ」なのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。その時点では自社の商材を購入する必要を感じていなかったとしても、将来的に商談に持ち込める可能性があるからです。

どんなに美味しい料理でも、満腹の時に差し出されたら「いりません」と断りますよね。その料理が嫌いだから断るのではなく、単に「今は欲しくない」から断るのです。つまり、誰かに物を売る時には、「相手が欲しがっているタイミング」を見計らう必要があるわけです。BtoB商材のようにニーズありきで購入されるものは特に、その傾向が顕著だといえるでしょう。
顧客がその商材を欲しがっているまさにその時にジャスト・タイミングでアプローチする、これが営業効率をアップさせる秘訣です。

見込顧客を育成する「リードナーチャリング」

では、具体的にどうすれば「タイミングを見計らう」ことができるのでしょう? それを可能とするのが、リードナーチャリング(顧客育成)という考え方です。

展示会やセミナーなどで獲得した見込顧客の情報は、その時点ではまだ海の者とも山の者とも分かりません。また、アポ取りに失敗した顧客や失注してしまった顧客もその時点では受注の見込が薄く、営業担当者による継続フォローは困難です。一度は案件化しかけたものの、途中でなんとなく話が立ち消えになってしまった、というケースもあるかもしれません。こうした「すぐには受注しないかもしれない顧客」を一旦「育成枠」に入れ、メールなどで定期的にアプローチしつつ機が熟するのを待つのです。

リードナーチャリングは特別なツールを用いなくても行うことができますが、昨今注目を集めているマーケティングオートメーションツールを活用すると、より効果的かつ効率的に進めることが可能です。

機会損失をゲインに変えるマーケティングオートメーションツール

マーケティングオートメーションは、顧客獲得(リードジェネレーション)から顧客育成(リードナーチャリング)、顧客の絞り込み(リードクオリフィケーション)までをシナリオ化・仕組み化するツールです。日本では2015年頃から注目を集めはじめ、昨今では複数のベンダーからさまざまな製品が提供されています。

マーケティングオートメーションツールを活用すれば、顧客獲得(リードジェネレーション)から顧客育成(リードナーチャリング)までのタスクを自動化し、「機が熟した」――すなわち自社の商材への関心が高まり、案件化する確度が高まった見込顧客を抽出することが可能となります。

これまで管理できていなかったデスクの引き出しの中に眠る名刺をデータ化してマーケティングオートメーションツールの流れに乗せてやれば、休眠していた見込顧客を再活性化し、新たな案件化の機会を創出することができます。

マーケティングオートメーションについては下記のページで詳しくご紹介していますので、本記事とあわせてぜひご一読ください。

参考:マーケティングオートメーションとは何か?機能と導入のメリット | 株式会社イノーバ

マーケティングオートメーションの流れ

ここで、マーケティングオートメーションツールを利用したBtoBマーケティングにおける顧客管理の流れを簡単にご紹介しておきます。ツールによって若干の違いはあるものの、基本的な流れは概ね同じでと考えていただいて問題ありません。

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1.見込顧客を獲得する(リードジェネレーション)

Webサイト、展示会、セミナーなどを通じて見込顧客を集客し、顧客からコンタクト可能な情報を収集します。入力した情報はマーケティングオートメーションツールに内蔵されているデータベースに入力し、集約して管理します。

データベースへの情報入力は手作業で行うこともできますが、最近はOCXソフト(Windowsの異なるアプリケーション間でデータを連携できるソフトウェア)やスマホを利用した自動取込ツールなども充実してきていますので、そうしたものを利用するのもよいでしょう。件数が著しく多い場合は、アウトソーシングの利用も検討の余地があります。

2.見込顧客を育成する(リードナーチャリング)

データベースに登録された見込顧客(リード)に対して、メールマガジンやキャンペーン情報の送付、セミナーへの誘致といったマーケティング活動を展開し、関係性を深めていきます。

なお、リードナーチャリングのフェーズでは、顧客の状況にあわせたアプローチを組み立てることが重要なポイントとなります。すべての顧客に対して一律に同じアプローチをかけても、当然ながら成果は上がりません。一人ひとりの顧客の状況を見極め、その状況にあったアプローチをかけていく必要があります。このために用いられるのが「スコアリング」という技法です。具体的には、メールマガジンへの反応、セミナー参加、問い合わせといった顧客の行動に応じて決められた「スコア」を付与し、スコアによって顧客の「成熟度」を図ります。

■スコアリングの一例

・見込顧客がメールマガジンに掲載されたリンクをクリックしたら1ポイント加算

・メールマガジン経由でセミナーに参加したら2ポイント加算

3.顧客の絞り込み(リードクオリフィケーション)

育成フェーズを経て十分に機が熟した顧客は、「案件化の可能性が高い見込顧客」としてリードリストから抽出し、営業部門に引き渡します。この抽出作業をリードクオリフィケーションと呼びます。機が熟したかどうかは、前述のスコアリングによって付与されたスコアで判断します。

最近ではWebサイトへのアクセストラッキング機能を備えたマーケティングオートメーションツールも登場し、こうしたツールを用いることで、見込顧客のWebサイト利用状況をスコアリングの参考指標として利用することができます。データ分析や人工知能(AI)技術なども発達してきいますので、「このページを見た後、このページに移動した場合は商品への関心度が高い」といった統計的な判断を自動的に下すことも、いずれは可能となるかもしれません。

マーケティングオートメーションを利用して既存顧客を再活性化

なお、マーケティングオートメーションツールは見込顧客の育成だけではなく、既存顧客とのコミュニケーション管理にも役立ちます。既に取引があるもののすぐには次の受注が見込めないような顧客をマーケティングオートメーションツールで管理すれば、顧客の状況をタイムリーに把握し、適切なタイミングでアプローチをかけて新たな案件につなげることが可能となるでしょう。

多忙な営業担当者にとって、大勢の顧客を常にもれなくフォローし続けるのは簡単なことではありません。営業の世界において「自分が獲得した名刺は自分の資産」という考え方はまだまだ根強く残っていますが、せっかくの資産も引き出しにしまっておくだけでは役に立たないばかりか、いずれは人事異動や転職などで使えなくなってしまうリスクすらあります。

マーケティング部門と連携し、「顧客育成(リードナーチャリング)」という活動を上手く組み入れることによって、名刺=見込顧客情報という貴重な資産を有効活用し、組織として望ましい成果を上げていくことができるのです。

社内に眠る名刺などの情報資産を上手く活用しきれていないと感じている方は、ぜひこの機会に名刺のデータ化やマーケティングオートメーションツールの導入についてご検討ください。

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