インプレッションとは何か?意味や増やし方、マーケティングでの評価方法まで解説!

Web広告
マーケティング担当者なら必ず押さえておきたいインプレッション。今回はインプレッションの意味と広告担当者に役立つ評価方法、インプレッションの増やし方などについて紹介します。
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インプレッションを利用するメディア
現在のBtoB のマーケティング担当者は、オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアの3つのメディアを利用し、連携させる必要があります。ペイドメディアは最も古く、主にインターネット上の広告を中心に利用されています。
トリプルメディアやマーケティングの現在の主流の手法であるコンテンツマーケティングについては以下をご参照ください。

インプレッションの意味
インプレッション(impression)は直訳すると「印象」「気持ち」という意味があります。広告用語としては、サイト上に広告が表示された回数を意味します。また最近ではTwitterやInstagramなど、SNS上に掲載された回数もインプレッションといいます。
なお、Webサイト、SNSいずれの場合も、表示されたユーザー数はカウントしないため、1ユーザーの画面上に5回表示されれば、インプレッションは5となります。表示されたURLや記事がクリックされたかどうかは関係なくカウントします。
インターネット上に広告を掲載している会社にとって、広告がどのくらい見られているかを示すインプレッションは重要な指標のひとつです。Webマーケティングにおいては、しばしばインプレッションを増やすためにさまざまな施策を実行します。
多くの人に広告を見てもらい、成果を出すための対策を行うためには、インプレッションの数え方や増やし方をしっかりと理解しておく必要があります。
インプレッションが重要な理由
インプレッションは主に次のような理由からWebマーケティングにおいて重要な表の一つとなります。
- ユーザを流入させる入り口となるから
- 広告費計算の基本となるから
- 複数チャネルの広告閲覧数を把握しやすいから
インプレッションの増加は、より多くの頻度で広告がユーザーの目に触れたことを意味します。どんな広告も、まずユーザーの目に触れなければそこからWebサイトの流入やコンバージョンにつなげることはできません。インプレッションの増加は、広告からユーザーを呼び込むうえで重要なフェーズです。
Web広告の費用はしばしば、一定のインプレッション回数あたりの単価で決まります。2023年時点では1,000回あたりの単価となっているケースが多いです。この費用体系の場合、インプレッション×単価がその広告に対する費用ということになり、インプレッションは広告予算や費用計上においても重要な数値なのです。
また、広告コストが適正かどうかをみるときも「CPI(コスト・パー・インプレッション)」という数値を用います。これはインプレッション1回あたりのコストです。広告費用の規模が大きい場合は「CPM(コストパーミル)」という指標を用いることも。こちらはインプレッション1000回あたりのコストを意味します。
Webマーケティングでは、しばしば複数のチャネルを併用して広告発信をします。そのときチャネル間の広告効果を見る基本的な指標としても、インプレッションは有効です。インプレッションが高いチャネルに積極的に出稿し、低いチャネルのインプレッションを改善する施策を講じるなど、マーケティング施策を講じるときの土台となります。
インプレッションに関連した指標
インプレッションは、しばしば他の指標と混同されがちなので、関連指標との違いについても正確に理解しておく必要があります。
- リーチ
- エンゲージメント
- フリークエンシー
- コスト・パー・インプレッション(CPI)
- ビュースルーコンバージョン
- クリック率(CTR)とコンバージョン率(CVR)
いずれもWeb広告の効果測定や、マーケティング施策をおこなう上での目標設定などにおいて重要な役割を果たします。それぞれの指標の意味をおさえておきましょう。
インプレッションとリーチの違い
エンゲージメントは主にSNSで使用する指標で、投稿に対してユーザーがアクションを起こした総数を意味します。ここでいう「アクション」はSNSによって定義が異なります。
- Facebook:いいね!、シェア、コメントなど
- Instagram:いいね、保存数、シェア、コメントなど
- Twitter:リツイート、いいね、URL、記事のクリックなど
エンゲージメントはインプレッションと並んでSNSマーケティングの重要な指標です。特に顧客との結びつき強化やファンの獲得といったポイントを重視してマーケティングを進める場合には、エンゲージメントは特に着目すべき指標となります。
インプレッションとフリークエンシーの違い
フリークエンシーは、ユーザー1人あたりで広告が表示された回数です。たとえば、50人のユーザーに合計200回広告が表示された場合、インプレッションは200、フリークエンシーは200÷50=4となります。
フリークエンシーが高い方がユーザーそれぞれの認知度が高まり、コンバージョンにつながりやすいと期待される一方で、リーチしたユーザー数の割に広告費用が高くなります。また、あまりに表示回数が多いとユーザーから鬱陶しがられて逆効果になるリスクもあります。
フリークエンシーの最適値は商材や業種、ターゲットにより異なるため、テストをしながら自社のマーケティングにおける最適値を把握しましょう。
コスト・パー・インプレッション(CPI)
コスト・パー・インプレッション(CPI)はインプレッション1回あたりの広告費の単価です。広告費用総額をインプレッション数で割り算すれば、企業の施策全体の単価を確認できます。
CPIは多くのデジタル広告において広告単価の土台となっています。そのほかにはクリックやコンバージョン数に応じて広告費が発生する成果報酬型のサービスもみられます。
また、CPIはWebマーケティングの効率性や予算策定をするうえでも参考にします。同じインプレッションならCPIが低い方が効率的といえますし、広告を増やすときには、CPIと想定するインプレッション数を計算すると、どれくらいの追加費用が必要か把握可能です。
ビュースルーコンバージョン
ビュースルーCVとは、あるユーザーが広告を見たときにはクリックしなかったが、その後なんらかの形でその広告のコンバージョン(たとえば、クリック後のページを閲覧)に至った回数を表します。
広告のインプレッションは、その広告を見てクリックしたかしないかだけでは判断できません。その広告がユーザーに強い印象を与えていたとしたら、その時点でクリックしていなくてもインプレッションの評価は高いはずです。
ビュースルーCVは広告がユーザーに与えた間接的な効果を測ることができ、広告の1インプレッションの価値を評価する指標の一つです。
クリック率(CTR)とコンバージョン率(CVR)
クリック率(CTR:Click Through Rate)はインプレッション数に対してどれくらいの割合のクリック数があるか、コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)はインプレッション数に対してどれくらいの割合でコンバージョン(購入や申し込みなど、ウェブサイトで得られる最終成果)を獲得しているかを示す指標です。
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たとえば、10,000インプレッションのうち100クリックされた広告と、同じ10,000インプレッションで10クリックされた広告だと、価値が高いのはどちらでしょうか。

当然、クリック率が高い方が価値が高いといえるでしょう。これはコンバージョン率についても同じで、コンバージョンに至る割合が高いほど1インプレッションの価値も高くなります。
クリック率やコンバージョン率が低いと感じる場合は、その広告がユーザーの視覚に訴え、興味を引き付ける文章かどうか、もう一度見直してみましょう。
インプレッションの数え方
ページを開いたときに1つの広告が1回表示されると、1インプレッションとなります。(1インプと数えることもあります。)
ここで注意すべきなのは、ページを閲覧した回数を示すページビュー(PV)との違いです。1回ページを閲覧すれば1PVとなりますが、そのページに同じ会社の広告が2つ掲載されていればインプレッションは2となります。つまり、インプレッションは下記のように計算されます。

ただし、メディアによって定義が異なります。
たとえば、世界で最もユーザー数が多いSNSのFacebook は、タイムラインに広告全体が表示されてはじめて1インプレッションとなります。一方、検索エンジンのYahoo! では、ページを開いたときに広告が一部でも表示されれば1インプレッションとなります。Yahoo! は独自の指標も設けており、広告の面積の50%以上が1秒以上画面に表示された場合のインプレッションを「ビューインプレッション」と表現しています。
自社の広告を掲載するメディアがインプレッションをどのように定義しているかを理解することにより、より正確な分析が可能となり、インプレッションを増やす施策を精緻なものにすることができます。

インプレッションの増やし方
では、インプレッション数を増やすにはどうすればいいのでしょうか?方法がいくつかあります。
日予算、入札額を高くする
広告の日予算や入札額を高くすることで、表示回数を改善させられます。Google広告では、1日の予算枠を設定して、その上限に達するまで広告が表示される仕組みがあります。予算枠を高めれば、その分上限に達するまでのインプレッションも増加するでしょう。

また、Google広告はキーワードごとに入札をおこなう方式で入札額が高い広告主の広告が優先的に表示されます。そのため、入札額を高くすることで、表示頻度を高めてインプレッション数を増やすこともできます。
Google以外の各メディアでも1インプレッションに対して広告単価を設定していることが多いです。
したがって、広告予算を引き上げれば、それに比例してインプレッション数の増加が期待できます。もし、まとまった予算の拡大が可能なら、新たなメディアへの広告出稿を開始することでもインプレッションの増加につながるでしょう。
キーワードの見直し
キーワードを見直すことで、同じ入札額でも表示回数を増やすことができる場合があります。競合が多いキーワードは入札単価が高いため、高い入札額を入れないとなかなか上位表示されない場合があります。
複数単語の組み合わせた、より競合の少ないキーワードで入札をした方が、インプレッション数を増やすことが可能です。
たとえば、東京都でスポーツ自転車を専門に販売を行っているA社がリスティング広告を掲載する場合を考えてみましょう。
もし「自転車」というワードだけで検索したときにA社の広告が掲示されるように設定した場合、「自転車」の広告を掲載する会社は他にもたくさんあるため、高額な広告費用を払わないとインプレッション数の増加は期待できません。
では、「自転車 スポーツ車 都内」というように複数の検索ワードを広告に設定するとどうなるでしょうか。さきほどの「自転車」だけの設定よりも複雑な検索ワード設定ですので、競合する会社は少なく、同じ広告費でより多くのインプレッション数を稼ぐことができます。
また、複数の単語をキーワード設定した方が、よりA社に興味を持つターゲットに絞って広告表示されるため、広告効果も高いと期待できます。

広告やLPの品質を上げる
Google広告では、入札単価やキーワード選択だけでなく広告や遷移先のLPの品質なども加味して掲載コンテンツを決めています。Googleでは、この品質を「広告ランク」という数値で管理しています。
そのため、広告・LPの品質が高い方が同額の広告単価でもインプレッションが増加するのです。
広告については関連性が特に重要で、設定したキーワードと広告がしっかり関連している方が、広告ランクが上がります。広告とキーワードの関連性が高ければ、ターゲットの検索意図に沿った広告が表示されるため、クリックされやすいという効果もあります。
LPについてもまずは関連性が重要です。また、そのうえで、遷移したときに最初に画面に映るファーストビューのデザインや、ページのわかりやすさ、操作しやすさなども加味されます。
ターゲティングを変更する
マーケティングのターゲットを成果に直結するようにうまく絞り込みましょう。
ターゲットが漠然としていると、より多くの人が漠然と検索するキーワードへの出稿が増えます。そのようなキーワードは競合が多く表示されにくい割に、自社の顧客層として適しておらず、広告効果が出ない恐れがあります。
ターゲットを絞り込めば、よりターゲットにあった具体的なキーワードで広告入札ができます。そのようなキーワードは競合しにくく、高い費用を割かずともインプレッションの増加が見込めるでしょう。
入札単価を調整する
リスティング広告では、インターネットサイトの同じ場所に広告を掲載したい広告出稿者がいる場合、入札によって掲載される広告(者)が決まります。入札単価とは、広告のクリックや表示に対して出稿側が支払う設定金額(単価)のことを指します。たとえば、クリック単価が設定されている場合には、広告のクリック数に応じて、出稿社が掲載されるメディアに対して支払う金額になります。同じメディアに複数の会社が広告掲載を希望している場合、クリック単価を高く設定している会社の広告掲載回数が多くなります。
〈クリック単価と広告掲載率の例〉

これだけだと、「結局、予算をあげないとインプレッション数を上げられないじゃないか!」という声が飛んできそうですが、このクリック単価は検索ワードごとに設定できる場合があります。
A自転車販売会社の例で考えていきましょう。A社は広告の検索ワードとして「自転車 スポーツ車 都内」、「自転車 都内 店舗」、「スポーツ車 専門店 都内」の3つ(3組)を設定したとします。1カ月後に「自転車 スポーツ車 都内」という検索ワードが3組のうちでインプレッション数を一番稼いでいた場合、今後もその検索ワードが一番インプレッション数を稼ぐことが期待できます。この場合には、他の検索ワードに支払うクリック単価を下げ、人気のある(インプレッション数を一番稼ぐ)検索ワードにより高いクリック単価を設定した方が効率的ですよね。
ただ、「インプレッション数は多ければ多いほどいい」と考えるのは危険です。1インプレッションの価値、つまりインプレッション単価を考える必要があります。
では、インプレッション単価はどのように評価すればよいのでしょうか。
CPM(インプレッション単価)とは?
インプレッション単価の指標の一つにCPMがあります。これは1000回表示あたりの広告単価のことです。ラテン語で「千」を意味する「mille」がその由来となっています。
CPMの計算方法
CPMの計算方法はとてもシンプルで、以下の数式で計算できます。
CPM=広告費÷広告の表示回数×1,000
たとえば広告50万回の表示に80万円かかった場合は、80÷50×1,000で1,600円となります。
CPM課金とCPC課金の違い
広告の課金方法には、大きく分けてCPM課金とCPC課金があります。
CPMはここで紹介したインプレッション単価のことです。すなわちCPM課金は「広告の表示回数に応じて課金する」システムとなります。
対してCPC課金は広告がクリックされるごとに課金される仕組みです。例えばGoogleのリスティング広告は、CPC課金方式を採用しています。
まとめ
今回はインプレッションの意味や増やし方、評価の方法について説明しました。
インターネット上に広告を掲載するときには、掲載するメディアでのインプレッションの細かな定義や数え方を理解したうえで、効率よくインプレッションを増やしていくことが大切です。
インプレッションは広告費用や入札単価の増額のほか、キーワードの絞り込みとターゲティングなどによって増加させることができます。また、広告やLPのコンテンツの品質を高めて、広告ランクを上げるのも有効です。
さらに、そのインプレッションにどれほどの価値があるのかをクリック率やコンバージョン率、エンゲージメント、フリークエンシーやビュースルーCVなどの指標を使って分析すると、インターネット広告の効果をグンと上げる施策を作れます。
広告用語の使い分けやプラットフォームを解説したダウンロード資料「広告に関する言葉の違い、今こそすっきり整理しましょう」も是非ご覧ください。
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