SEM(サーチエンジンマーケティング)とは?【2017年度版】

デジタルマーケティング

SEM(Search Engine Marketing:サーチエンジンマーケティング)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを活用するマーケティング手法の総称です。今回はSEMの基礎を解説するとともに、最新のSEMにおいて押さえるべきポイントを紹介します。

SEM(サーチエンジンマーケティング)とは?

SEMの定義

SEMとは、冒頭で述べた通り、検索エンジンを活用したマーケティング手法の総称です。GoogleやYahoo!といった検索エンジンから、ユーザーを自社のwebサイトに呼び込むことを目的としています。

具体的な手法については後述しますが、検索エンジンの結果ページの上位に表示されるような取り組み(いわゆるSEO:検索エンジン最適化)や、検索エンジン連動型広告(リスティング広告)などが代表的なアプローチです。

SEMはなぜ重要?

検索エンジンを利用するユーザーは、明確な目的を持っているケースがほとんどです。ユーザーはその目的を「検索ワード」に詰め込みます。

この特性は、マーケティングをする側に立つと、何を目的としているユーザーであるかが判断しやすく、コンバージョンにつながりやすいユーザーをターゲティングしやすいというメリットになります。例えば、“化粧品 安い”というキーワードで検索しているユーザーは、安価な化粧品を探している可能性が高いでしょう。仮に自社が安価な化粧品を取り扱っていたなら、その購入につながる可能性も高いといえます。

つまり、SEMをおろそかにすると、ニーズが顕在化しているユーザーを獲得する機会を失うことになります。また、競合他社がSEMに力を入れている場合、ターゲットとなるユーザーをとられてしまう危険性も無視できません。

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<図1 Webマーケティングの各種手法におけるSEMの位置づけ>

SEMの基本

SEMでは、企業側のコンテンツとユーザーの「検索ワード」との関連性が高いと、サイト流入につながりやすくなります。そのため、まずはターゲットとなるユーザーが検索しそうなキーワードを見極めることが重要です。

その上で、「検索ワード」のニーズを満たすコンテンツを制作します。これにより、ユーザーが検索エンジンを利用した際に、自社のWebサイトが上位に表示されて流入しやすくなったり、検索連動型広告から自社サイトへの集客効果を高めやすくなったりします。

SEOとは違うもの?

SEOとSEMの違い

SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、SEMの“手法の1つ”です。上述の通り、SEMの主な手法としてSEOが1つあり、もう1つ検索連動型広告(リスティング広告)があります。

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<図2 SEMの主な手法>

SEOとは?

SEOとは、ユーザーが検索エンジンを利用した際に、自社のWebサイトが検索結ページの上位に表示されるように最適化することを指します。

検索結果の表示順序は各検索エンジンのアルゴリズムによって決められています。このアルゴリズムは数百にのぼる要素を考慮しているとされていますが、その詳細はブラックボックスに包まれており、公表されていません。

ただ、検索エンジン運営会社の公式発表や、SEO支援会社による大規模調査などから、順位に大きな影響を与える要素はある程度明らかになっています。

例えば、検索キーワードに対するコンテンツの親和性や、サイト流入後のユーザーの行動データなどは影響が大きい要素としてよく知られています。直近のトレンドについては、後ほど紹介します。

リスティング広告とは

リスティング広告は、検索連動型広告やPPC(Pay Per Click)広告などと呼ばれ、GoogleやYahoo!といった検索エンジンに料金を支払って掲載する“広告”です。検索結果ページの最上部や最下部に「広告」という目印とともに表示されます。

キーワード単位で入札方式で出稿し、成果(クリックや表示回数)報酬型で課金されるシステムであり、手軽に始められることが特徴です。入札の方法としては「広告のクリック」に対しての目標予算を設定し、予算内でのクリック数の最大化を目指すアプローチが主流になっています。

広告の表示順位は、「広告品質」と「キーワードの入札価格」により決定されます。したがって、入札価格を上げれば、競合他社の広告よりも検索結果ページのより上部に表示されやすくなります。

ただ、ここで注意が必要なのは、入札価格をつり上げても、上位に「表示されやすくなる」だけであり、「確実に上位に表示される」わけではありません。もう1つの要素である「広告品質」も高める必要があります。広告品質はそれ自体が複数の要素からなっており、その1つが、広告からリンクを張っている(ユーザーが流入する)先のページに載っているコンテンツと検索キーワードの親和性なのです。

リスティング広告については、特定の層のユーザーに狙いを定める手法として、検索エンジン側がさまざまなメニューを用意しているという特徴もあります。

たとえばGoogleのリスティング広告プラットフォーム「AdWords」では、コンバージョンを指標に最適化するメニューの提供が始まりました。すなわち、サイト内やアプリ上でのユーザーの特定のアクションを「コンバージョン(CV)ポイント」として設定しておき、CVが発生したユーザーに近しい属性のユーザーを獲得するために自動的にキーワードを抽出し、入札するという仕組みです。

参考リンク:目標コンバージョン単価制について(AdWordsヘルプ)

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<図3 検索結果ページのリスティング広告>

最近のプラットフォーム側の動きと押さえるべきポイント

最後に、2017年にSEMを行っていく上で重要になるポイントを5つ紹介します。

(1)最重要は「コンテンツ」と「リンク」

2016年のGoogle主催のオンラインイベントで、Googleアイルランド上級ストラテジストから「最重要は『コンテンツ』と『リンク』である」との明言がありました。

参考リンク:Google明言、最重要は「コンテンツとリンク」(SEOパックのブログ)

最重要ポイントの1つ目である「コンテンツ」は、Webページに掲載されているテキストや画像のことで、その”質”が重要視されています。2017年2月にGoogleは、日本語検索ににおいて「オリジナルで、有用で信頼できるコンテンツを持つ高品質なサイト」がきちんと評価できるようにアルゴリズムを改変したとの発表も出しています。

参考リンク:日本語検索の品質向上にむけ(Googleウェブマスター向け公式ブログ)

2つ目は、「リンク」です。該当のWebページに向かって外部サイトから張られたリンク(いわゆる被リンク)が重要だとされています。被リンクはGoogleがその最初期から重視してきた要素ですが、歴史的に見ると被リンクの単なる数から、近年では“質”まで評価に含めるように進化してきました。2017年5月には、外部リンク獲得を目的としたゲスト投稿やコンテンツ配信が多くなってきたとしてGoogleから警告が出ています。

参考リンク:大規模な記事キャンペーンのリンクに関する注意点(Googleウェブマスター向け公式ブログ)

コンテンツとリンクの2つは重要度の差は無く、どちらも最重要ポイントであり、両方を兼ね備えることで検索順位が上昇するとGoogleは発言しています。

(2)構造化マークアップの対応

上記のようにユーザーにとって有用で信頼できるコンテンツを作成したら、次はその内容を検索エンジンに正しく伝えることが必要になります。構造化マークアップの重要性は従来から指摘されていましたが、いまニュースカルーセルなどへの注目が高まっている中で押さえておくポイントといえるでしょう。

また、2017年3月には、リッチカードの表示が全世界で開始されました。この表示にも構造化マークアップが必要になります。現在日本では「レシピ」「映画」「飲食店」の3つのジャンルに限られていますが、アメリカでは「ホテル」にも対応しており今後も拡大が予想されます。

参考リンク:リッチカードが世界中で利用できるようになりました(Googleウェブマスター向け公式ブログ)

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<図4 リッチカード表示例>

(3)モバイルファーストインデックス(MFI)

2016年もモバイル対応の重要性は言われてきましたが、今後はその流れが一層強化されていくでしょう。

時期は現時点では未定ですが、2016年の11月にGoogleからモバイルファーストのアルゴリズムを導入することは明確に発表されています。これが適応されると、インデックスはモバイルページのデータを最重要視して作成されます。また、モバイル端末でのユーザーの利用状況が検索順位・キーワード決定共に反映されていくこととなります。

参考リンク:モバイル ファースト インデックスに向けて(Googleウェブマスター向け公式ブログ)

この導入に備え、Webサイトのモバイル対応を進めるべきだと考えられます。

(4)AMP(Accelerated Mobile Pages)対応

上記のモバイルファーストの流れに伴い、モバイル向けのサイト表示スピードが重要視されています。コンテンツの質がいかによくても、表示速度が遅ければユーザー体験の質が落ちてしまうからです。2017年5月にGoogleは「モバイルのWebページの読み込みが3秒以上続くと53%のユーザーは離脱し、また、表示にかかる時間が1秒遅くなると20%のコンバージョンが失われる可能性がある」という調査結果を発表しています。

参考リンク:AMP の速度を検索広告とディスプレイ広告でも実現(Google AdWords 公式ブログ)

また、2017年3月にはYahoo!も、「AMPページのサポートを開始予定である」と発表しています。

参考リンク:Accelerated Mobile Pages Project – AMP

(5)ロングテールキーワード

詳しくは、「【完全保存版】キーワードプランナーの使い方と競合に勝つ3つのコツ」で紹介していますが、引き続きロングテールのキーワード戦略は有効と言えるでしょう。検索エンジン側がユーザーニーズに応えたコンテンツの評価を上げ続けている以上、よりユーザーインサイトを捉えたコンテンツを盛り込むことは絶対条件といえます。その上でもロングテールのキーワード戦略をとることでユーザー満足度の向上を図ることが可能です。

4.まとめ

今回は、SEMの概要から2017年度のトレンドを紹介しました。Googleは2016年度から「AIファースト」を掲げており、今後も新しい機能が追加されていくことが予想されます。

ユーザーファーストの考え方に即し、「コンテンツと被リンク」といった基本を大事にしながらも、最新情報をキャッチアップして適切なSEMを行っていきましょう。

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