検索上位に表示されるコンテンツ制作のテクニック:ニュースジャッキングとは?

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングの担当者にとって、常に悩ましいのが「ネタ探し」と「サイト流入」。

この2つの悩みを解決する「ニュースジャッキング」という戦術をご存じですか? これは、欧米のインバウンドマーケティングやPRではよく使われている手法です。成功すれば、飛躍的なアクセス数や業界でのオーソリティを獲得する可能性もあります。

それでは、ニュースジャッキングの意味とやり方についてご紹介しましょう。

ニュースジャッキングとは?

ニュースが一番はじめにWebやマスメディアで報じられてから、情報がピークに達するまでを図に表すと、下記のような放物線を描きます。

【挿入画像】newsjack800_477.png

参考:「Newsjacking: How to Inject your Ideas into a Breaking News Story and Generate Tons of Media Coverage」

ニュースジャッキングとは、ニュースが世間にリリースされてからピークに達する前(緑の矢印)のタイミングでコンテンツを配信し、世間で騒がれる波に便乗して自社のコンテンツをついでに読んでもらおうという戦略です。

ニュースジャッキングで重要なポイントとして、以下の3つが挙げられます。

  1. 自社の業種と関係のあるニュースを取り上げること
  2. ただニュースを取り上げるだけでなく、読み手にとって有益な情報をプラスαすること
  3. より高い効果を得るためには即時性を!

例えば、食品の検査分析をWebで販売しているA社が「ニュースジャッキングでアクセス数を伸ばしたい!」と考えているとします。

そんなときに、アレルギーの誤表示による被害がニュースで取り上げられたら、食品業者や関係業者は詳細を調べるために、即座に検索エンジンを開くでしょう。ここが、ニュースジャッキングのベストタイミングです。

A社は、ニュースの詳細をまとめた記事と、過去食品業界で起こった同様の事件やクライシスマネジメントに成功した企業の特集を組んで発信したとします。詳細を調べていた食品業者や関係業者が、この記事に目を留めることは間違いありません。いつ同じような事件が自社に起きるかわからない同業者にとって、この手の記事は有益な情報となりえるからです。

このように、ニュースの話題性が高まるとともに検索される回数が増え、キーワードが盛り込まれた記事からオーガニックの流入が増える仕組みになっています。

よいネタを入手するためのテクニック

ニュースジャッキングは、業界情報や関連情報をいかに早くキャッチするかが肝になります。しかし、1日中テレビや情報サイトにかじりついているわけにはいきません。

誰よりも早く、よい情報を入手するために、オートメーションシステムやアプリケーションを使って効率的に情報収集することが可能です。

  • 無料ソフトやアプリケーションを使う

キーワードやフレーズを設定すると、欲しい情報が自動でメールやアプリケーションに収集されます。競合他社をキーワードに盛り込むことも1つのテクニックです。

代表的なソフト、アプリケーションには、Googleキーワードプランナー、socialmention、talkwalker、mentionなどがあります。

  • 業界で著名なジャーナリストや業界専門メディアのブログをRSSする

RSSリーダーでは、フィード登録した記事全てが1つのアプリケーションで閲覧することができます。見やすいレイアウトと、読み漏れを防ぐ既読機能などが無料で使えるFeedlyは、おすすめのアプリケーションの1つです。

  • Twitterなどのソーシャルメディアで、キーワードを含むハッシュタグをフォローする

成功事例:競合他社のニュースリリースをニュースジャッキング

それでは、実際にニュースジャッキングの成功事例をご紹介しましょう。2012年にOracle社に買収されたEloqua社ですが、実は過去にOracle社のネタでニュースジャッキングに成功した実績があります。

(Eloqua社、Oracle社:データベース管理システムを展開する米ベンダー)

元Eloqua(エロクア)社 CEO Payne氏が有名人になったきっかけ

2010年5月、Oracle社がMarket2Lead社を買収したというニュースリリースを発表しました。ただ残念なことに、この発表はその事実を述べただけのもので、どういった背景や狙いがあるのか、今後の展開はどうなるのか、読み手の知りたい情報が全く記載されていませんでした。

会食中にこのニュースリリースを知った元Eloqua社CEOのPayne氏は、「Oracle joins the party(Oracle社が我々のチームにジョインする)」という見出しの記事を発信します。

当時はまだ小さなマーケットのリード・マネジメント・システムでしたが、Oracle社という大企業がこのシステムを開発するMarket2Lead社を買収したことで、マーケットが拡大することは間違いないと予測したのです。

なぜ、この記事が大きな効果を生み出したのでしょうか?

Oracle社が発表したニュースリリースはあまりにも情報が少なすぎました。ジャーナリストやアナリストをはじめ、多くの人がなぜOracle社がこんな小さな企業を買収したのかを知るために、「Oracle/ Market2Lead/ Acquisition」のキーワードでWeb検索をしたのです。

Payne氏の記事は、ジャーナリストやアナリストがそのまま引用できるほどの価値ある情報でした。そして、重要な成功要因は、誰よりも投稿のタイミングが早かったことです。

成果1: Payne氏がメディアの最前面へ

Payne氏の記事は主要各誌に取り上げられました。(BusinessWeek、InfoWorld、Customer Experience Matrix、PC World、Customer Think ほか)

当時、Payne氏はそれほど著名な人物ではなかったにもかかわらず、このリリースの主役であるはずのOracle社を抜いて、Payne 氏が記事の前面に取り上げられたのです。

成果2:マーケティングオートメーションの知名度をアップ

また、マーケティングオートメーションプラットフォームが、今後伸びていくマーケットであることを世の中に知らしめることで、自社の製品の価値を高めることにも成功しました(Eloqua社も同様のシステムを販売していました)。

成果3:さらに大きなディールを

Payne氏はMaket2Lead社の既存、潜在顧客にこのリリースとPayne氏の記事が引用された記事をメールで送り、顧客からの信用を獲得しました。

なんと、この投稿からたった2週間でRed HatとTRUSTe(インターネットプライバシーサービス)との商談をまとめ、多額の収益拡大に成功したのです。

まとめ

ニュースジャッキングは、一般的なニュースをはじめ、業界での事件、同業のニュースリリースに注力することでマーケティング効率を高め、コンテンツのアイディアを増やすことのできる戦術です。ゼロからコンテンツを企画するよりも負担を軽減できるだけでなく、すでにニュースで取り上げられ、注目されているコンテンツですから大外れということがありません。

コンテンツマーケティングにおける競合が多く、コンテンツが充実しているにもかかわらず、自社努力だけでは検索上位に表示されることが難しいと悩んでいる企業様は、ニュースジャッキングをぜひ一度試してみてください。