「リードナーチャリング」とは?営業コスト削減に効くWebサイトの条件

デジタルマーケティング

既存客や見込み客を啓蒙し、営業案件へと育成する「リードナーチャリング」は、マーケティングにおいて、欠かせないプロセスとなっています。
とくに、BtoB商材、高価なBtoC商材など検討期間の長い商材を販売するときには、このプロセスの有無が営業コストの効率化に有効に働きます。

今回は、Webサイトを活用したリードナーチャリングの意義や実施する際のプロセスについて説明します。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、見込み客(リード)を育成(ナーチャリング)するプロセスを指しています。

プレスリリースやイベント、Webサイトなどで見込み客を集めることに成功しても、サービス導入まで検討期間を要したり、まだ購買意欲が高まっていなかったりして、顧客情報が放置されてしまうのはよくある課題です。

これらの見込み顧客に対してメールマガジンやセミナーなどの手法で啓蒙し、自社製品やサービスのファンになってもらって、長期的なビジネス関係を築ける客へと育てていくことをリードナーチャリングと言います。

リードナーチャリングの5つのメリット

リードナーチャリングの基本は、見込み客の購買プロセスにおいて、最適なタイミングで、最適な情報を継続的に提供することです。
的確なプランニングのもとに実施すると、以下のような5つのメリットがあります。

  1. 見込み客の購買前からより良い関係が構築できる
  2. 見込み客の購買意欲を高められる
  3. オフラインでの営業時のクロージングまでの期間がちぢめられる
  4. 今後、有望度が高くなる可能性がある見込み客をキープできる
  5. 既存客の次の購買や長期の関係へとつなげられる

リードナーチャリング不在による営業機会損失の問題

リードナーチャリングが行われていない企業の販売プロセスでは、マーケティング部がキャンペーンや展示会などで収集した見込み客のデータを、CRM(顧客関係管理)として管理して、営業部が営業活動に用いるのが一般的でした。
しかし、インターネットが発達している現代において、従来の方法だけでは、なかなか成果が上がらなくなっています。

営業の機会が狭まる

営業部が見込み客にアプローチしても、そのうち、良い関係性を築けるのは、わずか15%以下だといわれています。なぜなら、見込み客はインターネットなどで企業や製品、サービスのトライアルなどを行い、評判を調べ、競合製品と比較するなどして、以前よりも慎重に検討を行うようになったためです。
販売実績を早く出したい営業部は、見込みの低い顧客をフォローするよりも、新しい見込み客を望む傾向があるため、有望度の低いリードへのアプローチはあきらめてしまうことも。結果として、営業の機会が狭まっていきます。

営業のコストがふくれあがる

見込みの低い顧客の購買意欲を訪問営業によって高めるには、オフラインでのアポイントの予約から、製品やサービスの説明、信頼関係の構築、購入タイミングまでのタッチポイントの継続と、営業部は多くの時間や人手などのリソースを割かなければなりません。
BtoB商材や高価なBtoC商材など、検討期間の長い商材を販売するときには、そのコストが企業の利益を左右します。

つまり、リードナーチャリングを行わないと、新しい見込み客を獲得するリードジェネレーションや営業部のリソース確保にかかるコストが膨大になってしまいます。こうした状況に対応していくためには、収集した見込み客を失わずに育成することが、企業にとっては有益なのです。

リードナーチャリングを実施するための6つのステップ

それでは、リードナーチャリングに必要なプロセスを、6つのステップで説明します。

1.現状の顧客の購買行動のパターンを見つける

ナーチャリングをプランニングする前に、もっとも重要なのは、現状の顧客の購買行動のパターンを把握しておくことです。

具体的には、過去に購入した顧客の自社サイトへの来訪タイミングやサイト内の行動データ、既存顧客に対するアンケート調査やインタビュー、店舗の販売員や現場の営業からの情報をもとに、現状分析を行います。現状を分析し、社内で共有するためには、顧客がどのようなプロセスを経て購買に至っているのかを示す、「カスタマージャーニーマップ」の作成が有効です。

2.見込み客を分類し、有望度を可視化する

自社サービスや製品の業界や業種、営業戦略などを踏まえて、セグメントごとに見込み客の分類を行います。そして、営業部がフォローの対象としたい見込み客の要件をすり合わせて、有望度を決めていきます。
この作業を「リードクオリフィケーション」といいます。

このとき、より有望度の確率を高めるために「スコアリング」の手法を取り入れるのも、ひとつの選択肢です。スコアリングでは、見込み客の役職、業種、企業収益などのデータ、自社に対するエンゲージメント度のデータをもとに、ツールを用いて有望度を可視化します。

3.見込み客を育成するシナリオ及びプロセスを決定する

分類した見込み客に対して、製品やサービスの検討状況を整理して、それに沿った育成のシナリオとアプローチ方法を設計します。

検討期間が長い商材については、一度のアクセスでは購買につながらないため、顧客は複数の競合サービスや製品から候補を絞り込んでいくことを前提として、シナリオを考えましょう。アプローチ方法については、メールやニュースレター、ホワイトペーパーや電子ブック、プレスリリース、オンラインセミナーや無料商談、ソーシャルメディアなどさまざまなものがあります。どの見込み客にいつ配信するかのスケジュール表を作成しましょう。

4.見込み客を育成するための具体的なアプローチ内容を決定する

シナリオやプロセスを決めるときに設定した各ステップや各手法において、見込み客の購買意欲を高めるための「あるべき状態」へと導くために、どのようなメッセージを伝えるのかを考えます。

「商品理解を促す・深める」というメッセージを伝えるには、ホワイトペーパーや電子ブックが有効ですし、「より良い信頼関係を築く」にはソーシャルメディアが役立ちます。
このときにも、中長期的に複数回のアプローチを行うことを考慮するのが重要です。

5.プランが適切であったかどうか評価する

上記のステップを実施した後は、見込み客の分類やシナリオ、プロセス、手法などが適切であったかどうかを評価します。見込み客の態度変容の質や量を測るKPIを設定し、定期的にトラッキングするなどの情報を収集すると、的確な評価が可能となります。

6. 評価に応じてプランを修正する

見込み客の行動データをもとに評価した結果、プランが適切でなかった場合には、新たなプロセスの設定、手法に合ったメッセージやコンテンツの見直しなどを行い、改善していきます。

自社サイト内でナーチャリングできれば、営業効率が上がる

リードナーチャリングの最終的な目的は、企業が顧客にとって信頼されるアドバイザーとなり、有用なことが学べる情報源となることです。そうすると、購買のタイミングが訪れたとき、顧客が行動に移してくれるため、企業にとってリードジェネレーションにコストをかけることなく、営業効率を上げられるのです。

もしも自社サイトに、企業情報やサービス・製品情報しか載せていないとしたら、見込み客のナーチャリングに貢献できる可能性が大きいといえます。

見込み客の購買意欲を高めるには、リードナーチャリングを前提とした相互コミュニケーションが可能なサイト作りを検討するべきです。


参考: