拡散回数は640万回以上!史上最もシェアされた海外の動画広告とは?

デジタルマーケティング

昨年、話題になった海外のAndroidのCMをご存知でしょうか。このCMはソーシャルネットワークでの人気動画として640万回以上も拡散され、その回数は2015年に配信されたどの動画の拡散数よりも多く、また動画広告の歴史においても最も拡散された広告として記録を残しました。

今回はその記録的な動画広告を、今後の有効な宣伝方法のひとつとしてご紹介したいと思います。

Android:Friends Furever (ずっと友だち)

さっそく、昨年2月に配信された動画を見てみましょう。

動画に登場するのはフワフワの毛をした愛らしい動物たち。動画タイトルのFriends Furever(ずっと友だち)の 「Furever」 は、「Forever(ずっと)」と 「Fur(毛皮)」を掛けています。

動画の冒頭シーンは、犬の肩を抱くオラウータンの姿です。続いてヒヨコたちの世話をする猫、子犬とじゃれ合うライオンの子ども、イルカと並んで泳ぐ犬など、種類の違う動物コンビが次々と映し出されます。

文字による説明やナレーションがないまま、仲睦まじい動物たちの紹介だけで進行するこの動画。「このまま一体どうなるのだろう」と思っていると、最後のシーンで 「be together. not the same.(みんな同じではないけれど、一緒にいよう)」というメッセージが画面に流れます。そして、最後の最後に初めて「Android」という文字が表示されます。

AndroidのCMなのに携帯を宣伝していない?

ところで、この動画広告に登場するかわいい動物たちはAndroidと何の関係があるのか、と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。

実はこの動物たち、単なる客寄せとしての動物ではありません。種類の違う動物たちが支え合う姿は、異なる価値観を尊重するGoogleの企業文化そのもの。つまり、この動画広告は「いろいろな価値観を持つ人を尊重したAndroidなら、多彩なラインアップから自分に合った携帯を選べます」という商品の特徴を表現しているのです。

このCMには宣伝しているはずの携帯が一度も登場しませんが、それでもAndroidの強みを効果的に宣伝することに成功しています。この動画広告が史上最高の拡散回数を記録した背景には、こうした宣伝色の少なさから生じたCMに対するユーザーの好感度が関係しているのでしょう。

「商品を売らない」というスタンスの再評価

商品そのものではなく企業の価値観という切り口で自社の宣伝をしてきた先駆者の代表格Appleは、1997年にThink Differentというスローガンを掲げたことで有名です。当時のCMを見てみましょう。

 

CMに登場するのは、アインシュタイン、ジョン・レノン、ピカソなど、20世紀に活躍した「天才」たち。「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えている」というスティーブ・ジョブズの哲学は、 その後同社が生み出した商品と重なり、20年近く経った今でも私たちの心に響きます。

昨年のAndroidのCMはこの手法を踏襲し、AppleのiPhoneにはない「携帯機種の豊富さ」を象徴するメッセージをユーザーへ届けることに成功しました。さらにFacebookやTwitterに代表される21世紀の宣伝方法を上手く利用することで、史上最高の拡散記録を打ち出したと言えるでしょう。

つまり、商品を売らないCM自体は目新しいものではありませんが、デジタルマーケティングの時代に「拡散されやすい」という理由で、このトレンドは再び評価されつつあるのです。

ネイティブ×動画広告の可能性

過去の記事(「Outbrain社が選ぶ2015年のネイティブ広告ベスト5!評価されているポイントは?」)で、商品を売り込まないスタイルの「ネイティブ広告」が注目を集めていることを取り上げました。「ネイティブ」というスタイルは、拡散されることを目的とした動画広告と相性が良いため、今後も広告業界において有効な手法のひとつとなるでしょう。

参考: