『美少女戦士セーラームーン』に学ぶ、コンテンツの活用術

コンテンツマーケティング

こんにちは、イノーバ代表の宗像です。

コンテンツマーケティングを実践するうえで、コンテンツ制作への投資に足踏みしている企業は、案外多いのではないでしょうか。

オリジナルコンテンツは、前例がないものを作るわけですから、効果が出るとは保証されていません。しかし、それでも、僕は作るべきだと思います。

コンテンツは、その活用術を知っていれば、無駄にせず済むことが多いです。ここでは、ヒットしたアニメや書籍のビジネスモデルを見ながら、コンテンツビジネスのプロがやっているコンテンツ活用術について見ていきましょう。

『美少女戦士セーラームーン』でわかるデマンドジェネレーション

1つ目は、『美少女戦士セーラームーン』です。

201602-how-to-use-content_2.pnghttp://sailormoon-official.com/

セーラームーンが新しかったのは、女の子が戦うところ。「女性も戦いたい」という需要を取り込んだ点が斬新にうつり、多くのファンを獲得しました。

さらにおもしろいのは、そのビジネスモデルです。通常、テレビ番組はスポンサーからの広告で成り立っています。しかし、セーラームーンの場合は、制作する側が持ち出しでお金を使っています。

具体的には、テレビ朝日のアニメ枠を買い取り、数億の投資というかたちで、アニメを作って流します。テレビを見た人は、グッズを買ったり、映画を見に行ったり、DVDを買ったりする。それがキャッシュポイントとなります。

つまり、セーラームーンのアニメは、デマンド・ジェネレーション(需要の創出)となっているんですね。そういう意味では、コンテンツマーケティングのモデルに似ています。いずれも、売るための行動を喚起するものとして、コンテンツを用意しているのです。

戦略的な多メディア展開。『妖怪ウォッチ』の新しい取り組み

『妖怪ウォッチ』も、ビジネスモデルはセーラームーンと同じです。ただ、妖怪ウォッチはさらに進化しています。とくに、多メディア展開という視点から考えてみると、そのビジネスモデルが明らかになります。

201602-how-to-use-content_3.png

http://www.youkai-watch.jp/

従来の多メディア展開は、順番に行っていました。つまり、まずマンガがあり、アニメがあり、最後にゲームへ展開する、などです。しかし、妖怪ウォッチの場合には、最初から全部同時に走らせているという特徴があります。

その結果、ファンからしてみると、世界観がより重層的になります。ある意味では、その世界に没入することに等しい。ゲームにもはまるし、アニメも見るし、グッズも買って、映画も見に行く。それこそ「妖怪ウォッチ・ワールド」に浸れるわけです。

また、親世代も楽しめるように工夫されています。たとえば、ダジャレが親世代のものなんです。子どもはもちろん楽しめるけど、一緒に見ている親もおもしろい。そのようにして、ファンを囲い込んでいるんですね。 

『もしドラ』から学ぶ、コンテンツの「棚卸し」と「再利用」

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

ドラッカーの『マネジメント』は経営の名著です。また、古典ということもあり、広く名前が知られています。ただ、そのわりに、実際に読んでいる人は少ないのが実情です。

そこで、内容をやわらかくし、ストーリー仕立てにしたのが『もしドラ』です。ストーリー仕立てにすることで、多くの人がとっつきやすくなるという点がポイントです。

また、あえて女子高生を表紙に載せることで、広い層の人々に読んでもらうことに成功しています。そのうえ、中身はそれなりに読み応えがあり、経営もわかるというように工夫されています。

名作をわかりやすくとりあげる、コンテキスト(文脈)を設定するというのも、おもしろいアプローチだと思います。

海外のコンテンツマーケティングに関するカンファレンスでは、「コンテンツ・リサイクル」の話が必ず出てきます。加えて、コンテンツ・オーディット、つまり「自分たちがもっているコンテンツをきちんと棚卸しできている?」ということも話題にあがります。

コンテンツの効果を生み出すにはコンテンツ活用術を知っているのが大事

コンテンツビジネスをしている人からすると、上記のような発想は当たり前です。事実、ドラマが小説を題材にしていることは多いですよね。ただ、我々マーケターは、コンテンツづくりをはじめたばかりです。ですので、コンテンツの二次利用・三次利用という発想がまだ乏しい。

Webのいいところは、スモール・スタート、つまり「小さな実験」ができるということです。いきなり数千万円のテレビコマーシャルを作るのではなく、その10分の1、20分の1の金額でYouTube動画を作ってみる。そのうえで、効果があるものだけを採用することも可能です。

コンテンツの活用方法から再利用までしっかり考えることにより、マーケティング活動は加速します。効果が保証されていないためにコンテンツへの投資に踏み切れないときは、ぜひ、これらのアニメや書籍のビジネスモデルを思いだしてみてください。