”続報”慶應ビジネススクール講義ーECサイト運営企業への「コンテンツマーケティング戦略」提案発表会

コンテンツマーケティング

こんにちは。イノーバの大西です。

今日は4月24日にご案内した“慶應ビジネススクールでの「コンテンツマーケティング戦略」の講義”の続報をお伝えします。4月から3回にわたり、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)で余田拓郎教授が担当されているクラスで、イノーバ営業部 部長の神山がコンテンツマーケティングに関する講義をさせていただいています。

—ゼミ生の皆さんには、『ハイ食材室』の業績や現状の課題を資料として共有。同じく弊社事例の海産物販売『越前かに問屋ますよね』についてもご紹介するとともに、資料をテキストとして配布。ゼミ生の皆さんは、講義を受けた後にこのEC2社に対してのコンテンツマーケティング戦略を練り、具体的なコンテンツテーマへと落としこみ、6月にプレゼンを行うのが課題です(4/24イノーバブログより抜粋)ー

そう、6月11日はその発表日だったのです。

受講生によるご提案の様子を伺いにお邪魔してきました。

対象サイトは弊社のお取引先が運営する『ハイ食材室』と『越前かに問屋ますよね』の二つ。

今回は、楽天市場の店舗『ハイ食材室』での食材の販売を事業とする株式会社ドレステーブルWeb事業部マネージャー中川士郎様にご同席いただきました。

発表は3つのチームで行うとのこと。準備を始めた皆さんを見ているうちに、にわかに学生時代を思い出し、なんだかドキドキ緊張してきてしまいました。楽しみです。

的確な課題抽出とオリジナリティ溢れるストーリー展開

■「ハイ食材室」へのご提案(1)

タイトル:「世の中にハイ食材を広めよう」

このご提案では、新規顧客の獲得を課題と定めました。まずはハイ食材室の提供価値を分析し、エンターテイメント性に注目します。

ひとびとの暮らしから男性・女性それぞれの食や料理への興味を紐解き、食を介した家族とのコミュニケーションに焦点を当ててコンテンツを設計します。

食卓教育の紹介に始まり、父親が料理の腕をふるう特別な日のレシピ、食卓で盛り上がりそうな食にまつわるネタ、ハイ食材室の保有するラボでの料理教室など、家族のふれあいや楽しい時間が目に浮かぶような内容です。

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ただ、新規顧客の獲得が課題であるのに、潜在層へのアプローチや興味の引き上げへのシナリオが今ひとつ感じられません。

他の参加者から指摘されていましたが、裏付けや期待効果に関する具体的な数値根拠が考えられていないなど、提案に必要な要素を拾い切れていない点も目立ちます。ペルソナの生活感を大事にこだわったコンテンツの企画は印象的であっただけに、少し残念でした。

■「ハイ食材室」へのご提案(2)

タイトル:スグ使える!コンテンツ・マーケティング〜少人数・ローコストで回す52週MD計画〜

こちらも最大の課題に「新規顧客の減少」をあげ、コンテンツマーケティングで新規顧客の獲得を目指します。

話の構成も網羅的で丁寧に組み立てられていたため、内容はボリューミーでしたが、とても聞きやすく感じました。この提案は、コンテンツのテーマとして商品である「食」ではなく「旅」に注目します。矛盾なくそのストーリーを貫いた点に柔軟性と魅力を感じました。

「一度は行きたい世界のXX旅」のFacebookページ、旅物語や本場のレシピや伝統料理の美味のコツなどを展開するブログなど、ついつい読んでしまいそうなコンテンツが盛りだくさん。

メインターゲットに刺さるコンテンツであるだけでなく、お客様が繰り返し訪れ、自然と理解が深まるような育成の要素もしっかり組み込まれています。

また計画的に運用する体制についても関与者・役割・コストがしっかりと明示されます。どの層に何を提供するかが明確で、これなら運営する側も目的を見失わず、しかも楽しんで進められそうです。

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さらにご提案は商品展開とコンテンツ施策の融合にも触れます。

顧客数と粗利高を軸に商品の役割を明確化して、その役割に整合したキーワードをコンテンツに組み込むのですが、こちらもドレステーブル社からお借りした実データを分析するという力の入れようです。

こうしてビギナー顧客には送料無料の特典や粗利率が高く人気商品であるイベリコ豚しゃぶしゃぶセットを訴求し、すでに何度か購入している顧客へは幅広い商品カテゴリにトライアルできる商品を訴えかける・・といった具合に戦略が立てられました。

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他にもFacebookのサンプルページを用意されたり、海外在住でコンテンツを提供していただけそうな方を見つけてご紹介したり、できうる限りの準備をされているのに圧倒されました。

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「旅、というキーワードでは競合が多くて勝負するのは大変では?」という指摘も飛び出しましたが、お客様にチャレンジしてみたいと思わせる説得力と心意気を感じる素晴らしい内容だったと思います。

■「ますよね」へのご提案

タイトル:「福」をあなたに〜福井のカニ問屋から「福」問屋へ進化するためのマーケティング戦略

最後は、全体的なマーケティング戦略から設計するタイプのご提案です。ますよねの提供価値を魚介がもたらす「福」とし、「福」をコンセプトにした総合海産物問屋としてターゲットへ訴求するストーリー展開です。

お祝い用のギフトといってもそのシーンはさまざま。お祝いの頻度(特別性)にあわせた価格帯やコンセプトのラインナップを適正化するという視点はとても合理的で、納得感のあるものでした。

設置するオウンドメディアも「福」というテーマとギフトの要素を強く押し出したイメージで、商品である魚の購入とも密接でありながら、購入するお客様の「家族で楽しみたい」「相手に喜んでもらいたい」という気持ちに訴えかける点は面白いと感じました。やはり切り口次第で、どう見せるか可能性が広がるものですね。

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サイト設置効果の見積もりが粗い、など気になる点はありましたが、広範囲に及ぶマーケティング戦略をしっかりとまとめられている点はさすがです。

マーケティングの可能性と面白さを再認識

2時間弱の短い時間でしたが、どの提案も引き込まれる内容であっという間に時が過ぎました。

配布資料や公開されている統計データだけではなく、実際にお客様のところへ足を運び、情報を集めたり、商品を味わってみたり…皆さんが真剣に準備されてきたことが伝わります。

「新規顧客をつかまえるためには、どんなメッセージでプロモーションをかければいいだろう?」

「お客様により刺さるためにはどんなコンテンツが有効だろうか」

もし自分がサイト運営で悩む担当者であったら、こうして丁寧なご提案をいただけるのはとても心強いだろうと思います。

実際に横に座っていらっしゃったドレステーブル社の中川様が、皆さんの発表をとても真剣に、そして楽しそうに聴かれていた様子も印象に残りました。

マーケティングの実践において、計画には現実性と裏付けが必要ですが、それらを基にしたストーリーの重要性を改めて考えさせられました。

潜在層へのアプローチから始めるコンテンツマーケティングも、まだ見ぬお客様の気持ちを探りながらの試行錯誤になりますが、そこに拡がる可能性を思えば取り組み甲斐のあるものではないでしょうか。

お客様のコンテンツマーケティングをご支援するサービスを展開し、自社での実践も進める身として改めてその可能性や楽しさに触れ、知見を深めるとともに柔軟な発想を忘れずにトライしていきたいと強く感じました。

最後に、貴重な機会をいただいたKBSの余田先生、ゼミの皆様に心より感謝申し上げます。

ありがとうございます!

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講義を終え、余田先生(後列中心)とゼミ生の皆さん、ドレステーブル中川様(前列一番左)と記念撮影