騒がしい選挙カーに、企業のマーケティングの在り方を考えた。

インバウンドマーケティング

こんにちは。イノーバの宗像です。
世間では統一地方選に向けて、選挙運動がスタートしましたね。

昨日は、休日出勤してオフィスで働いていたのですが、選挙カーの音がうるさいの何の。候補者の名前を連呼し続ける。受け手の都合はお構い無し。僕は、選挙は大事だと思っていますが、このような街頭で拡声器を使った選挙活動をするというのは、どうも時代が古い気がしてなりません。

さて、ちょっと、気になってみて、試しに「選挙カー」で検索してみました。

すると、googleの検索候補の第3番目に表示されたのが、「選挙カー うるさい」
さらには、第5番目には、「選挙カー 苦情」。選挙カーがうるさいのは僕だけではなかったのですね。

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しかし、選挙カーや街頭演説がここまで嫌がられるようになったのは、やはり時代背景があるように思います。有権者は、自分の投票する人を決めるために、ネットを検索したり、友達に意見を求めたり、Twitterを見たり、様々な情報源を参照するようになりました。

Googleが行った調査によれば、選挙において、人々は、実に14.8種類もの情報源を参照するとのことですし、投票前の情報収集活動で95%の投票の意思決定は終わっているということです。

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出典:Winning the Zero Moment of Truch - ZMOT, Jim Lecinski

また、有権者の大半は投票前の情報収集や意思決定を投票の3〜4ヶ月前からはじめているという調査結果もあります。

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出典:The Zero Moment of Truch Study - Voters, Google/Shopper Science, U.S. April 2011

この調査はアメリカの中間選挙におけるものですので、もちろん日本の選挙とは事情が異なります。しかし、ポイントは投票直前の選挙運動期間中にだけ声を枯らしてがんばったところで意味は薄く、多くの有権者は候補者の日頃の情報発信や主張の一貫性をシビアに見ていますよ、ということだと思います。

実際、僕自身の事を考えてみても、選挙前に突如現れた選挙カーで、名前を連呼された候補に投票する気にはとてもなりません。むしろ、自分が普段読む情報源や友達からの情報などで知った政治家の方が圧倒的に信頼度が高いと言えます。

例えば、「待機児童の解消」という重要なテーマに関してでも、全く知らない候補者が、駅前でメガホンを通じて、「待機児童の重要性」を訴えられても、正直ピンときません。一方、オンラインやオフラインの雑誌に政治家が寄稿した記事を読むと、なるほどと思うと思います。

昔は、政治家の方が情報を持っていて、有権者は情報を持っていなかった。だから、街頭演説も楽しみだったし、一種のエンターテイメントだった事さえある。それが、今は逆転していて、街頭演説が全くピンと来なくなった。

今後の選挙においては、街頭演説で全ての人に同じメッセージを伝えようとするのではなく、選挙区に存在する多種多様な人々の存在を認識し、それぞれの人と1to1でコミュニケーションを図っていく必要があるのではないでしょうか?そうしないと、全く有権者の心に響かないばかりか、むしろ、クレームに繋がりかねないとさえ思います。

さて、今日は、選挙カーの話をしていましたが、実は、我々企業のマーケティング活動も同じ罠に陥っている可能性があります。

相手の都合を考えない、アウトバウンドの電話営業、一斉同報のメール配信。物量勝負の広告。いずれも、メガホンで一方的なメッセージを伝えているようなものではないでしょうか?

考えてみてください。自分がされて嫌な事は、相手も嫌なのです。アウトバウンド型のマーケティングを見直す時期が来ているのではないでしょうか?

 

Photo Credit:kimba Howard