2015年コンテンツマーケティングのトレンドはどうなる?

コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、年々新しい手法が生み出され進化を遂げている。移り変わりの激しい時代の流れに取り残されないためには、トレンドを先取りすることが大切だ。
「B2C Content Marketing 2015」調査によると、B2C企業の77%のマーケティング担当者が、明確に定義されたターゲットオーディエンスに価値のある情報を配信するために、コンテンツマーケティング戦略を使用している。同調査は、Content Marketing InstituteとMarketingProfsが共同で北米で行ったものだ。
コンテンツマーケティングが、間違いなく効果があると思わせる高い数字だが、実際に組織としてコンテンツマーケティングを効果的に活用できていると実感しているマーケティング担当者は、このうち、わずか37%だった。
以下で、上記の調査および、同じくContent Marketing InstituteとMarketingProfsが北米で実施したB2B調査(「B2B Content Marketing 2015」)の結果をもとに、2015年にコンテンツマーケティングをさらに活かすためのポイントを紹介する。
なおB2B調査については、すでに当サイトの記事「B2Bコンテンツマーケティングのデータを知って2015年に備えよう!」でもご紹介しているが、B2Cの傾向と合わせて、改めてお伝えしたい。
目次
2015年の見逃せないトレンド―B2B調査より
まずは、B2B調査結果でわかったトレンドを紹介しよう。
- 効果が出せるコンテンツマーケティング担当者になるためには、戦略の文書化が必要
- マーケティング担当者の70%が、2014年は2013年より多くのコンテンツを作成
- ROI(費用対効果)の追跡に成功している担当者は、わずか21%だ
- インフォグラフィックスの利用が、51%から62%に増加した
- マーケティング担当者が選ぶ、今最も効果のあるソーシャルメディアは、Linkendln
- ターゲットオーディエンスと直接出会う場を設けたイベントは、最も効果がある戦術だ
- マーケティング担当者の半数以上が、2015年にはコンテンツマーケティング予算を増やすことを計画している
特に注目すべき点として、コンテンツマーケティング戦略を文書化していない担当者は、ROIの追跡に苦労していることがわかった。
次に、B2C調査から、売上アップにつながる見逃せない3つのポイントを紹介しよう(参考:Heidi Cohen: Does Your 2015 B2C Content Marketing Plan Include These 3 Elements?)。
1.コンテンツマーケティング戦略を文書化する―B2C調査より
B2C調査結果によると、コンテンツマーケティング戦略を文書化することは、コンテンツマーケティングの成功に不可欠な要素だが、実際に文書化している担当者は、わずか27%だ。
文書化されたコンテンツマーケティング戦略を持つ担当者の43%が、売上アップに成功している。以下に、戦略を文書化するためのポイントを紹介しよう。
- コンテンツマーケティングの目的(ゴール)は、ビジネスそのものの目的と同じものだ。顧客の獲得・維持に焦点をあてよう。
- ターゲットオーディエンスは、見込み客だけでなく、既存顧客やインフルエンサーなども含み、相互に影響を与え合っている。ターゲットとするマーケットのセグメントを全てカバーするためには、複数のターゲットペルソナを設定する必要がある。
- コンテンツマーケティングの測定指標を設定する。その中でも売上高は、KPI(主要業績評価指数)として必須だ。測定指標の設定をするかどうかが、戦略を文書化していないマーケティング担当者との大きな違いとなる。
2.コンテンツマーケティング予算と体制―B2C調査より
B2C調査結果によると、マーケティング担当者は、スタッフを除くコンテンツマーケティング予算に、平均でマーケティング予算全体の25%を充てている。そして、最も効果を上げている担当者は、コンテンツに平均29%の予算を割り当てている。
一方、コンテンツマーケティングに取り組む体制・人員はどうか。
- 平均17%の担当者が、専任のスタッフチームを持っている
- 平均28%の担当者が、組織横断的な専任スタッフチームを持っている
(この2つの合計の45%が、コンテンツマーケティング・チームを持っていることになる)
そして、最も効果を上げている担当者の63%は、専任スタッフチームを持っていると回答している。このことから、専属の人員確保が成功するためのポイントといえる。
3.コンテンツマーケティングの測定指標―B2C調査より
B2C調査では、コンテンツマーケティングの成功のための測定指標の順位は以下となっている。
- Webサイトへのトラフィック=62%
- 売り上げ=54%
- コンバージョン率=48%
- 検索ランキング=39%
- Webサイトへの滞在時間=38%
- 顧客からのフィードバック=33%
- 読者数の伸び=34%
この結果を踏まえて、指標設定の参考となるポイントを紹介しよう。
- 上記で「売り上げ」と回答している54%の担当者が、2015年は売り上げの前年比10%増を予測している。
- 上記で39%の担当者が「コンバージョン率」と回答しており、コンバージョン率の増加は、直接的に「売り上げ」にも関係するので大きな目安となる。
- 39%の担当者が、SEOのランキングを測定に利用しており、コンテンツマーケティングはSEOにも効果的なので、従来のサーチ・マーケティング費用(リスティング広告など)の削減につながる。
まとめ
B2C企業においては、5人に1人のマーケティング担当者は、自分のコンテンツマーケティングのROIを測定していないことが、同調査からわかった。ROIの追跡をすることは、企業の業績向上につながる(Hubspot社が行った2014年インバウンド調査の結果による)。コンテンツ戦略の文書化と同様、売り上げと収益性の向上について、さまざまな指標をもとに考えることは、B2Cコンテンツマーケティング担当者にとって必須業務といえる。
今回、B2Cを中心にご紹介したが、B2Bの詳細については冒頭で述べた当サイトの記事を参考にしてほしい。「戦略の文書化」の重要性などはB2B、B2Cの両方に共通するが、両者で違いが見られる点もある。こうした最新トレンドをもとに、2015年のビジネスの成功にぜひ役立てていただきたい。
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