【活動報告】セールスフォースドットコム主催『Salesforce World Tour Tokyo』にパネラーとして参加してきました

BtoBマーケティング
こんにちは。イノーバマーケティング部の亀山です。 12月4日に開催された「Salesforce World Tour Tokyo」に参加してきました。
セールスフォース・ドットコム主催のこのカンファレンスは、同社の顧客、パートナー、投資先などが一同に会するイベント。毎年各地で開催されています。
弊社イノーバは今年9月、同社からの出資を受けたため、今回はセールスフォース社の”投資先”という形での参加となりました。
【パネルディスカッション】次世代モバイルアプリ、IoT市場でのイノベーションとアントレプレナーシップを加速させるセールスフォース1ファンドのご紹介
【パネル登壇者】
アカウンティング・サース・ジャパン株式会社 http://www.a-saas.com/
代表取締役CEO 佐野 徹朗 氏
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社 http://www.techv.co.jp/
ディレクター 浅田 慎二 氏
株式会社イノーバ https://corporate.clst01.innova-jp.net/
代表取締役CEO 宗像 淳
Sansan株式会社 http://jp.corp-sansan.com/
代表取締役社長 寺田 親弘
株式会社東京大学エッジキャピタル http://www.ut-ec.co.jp/
ジェネラルパートナー 山本 哲也 氏
Doll Capital Management http://www.dcm.com/
パートナー 本多 央輔 氏
米国セールスフォース・ドットコム
上級副社長 コーポレートディベロップメント&セールスフォースベンチャーズ
ジョーン・ソモルジャイ 氏
【モデレータ】
TechCrunch Japan 編集長 西村 賢 氏
世界で盛り上がるエンタープライズスタートアップ
前半は、Salesforce Venturesと共に世界各国で様々なベンチャー投資を展開する3つのベンチャーキャピタル(東京大学エッジキャピタル、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Doll Capital Management)の登壇でプログラムスタート。
”出資側”から見た現在のマーケットトレンドの話の中で、各登壇者が異口同音に強調していたのが、各国におけるエンタープライズスタートアップ、いわゆるB2Bベンチャーの盛り上がりでした。例えばクラウドストレージのBOX社は、コンシュマー向けに競合のDropboxが先行してシェアを確保していた中で、当初よりエンタープライズ向けを打ち出して成功していますし、アジアの新興国では先進国のような「デスクトップからモバイルへ」というステップを飛ばして、最初からモバイルファーストでのプロダクト/サービス設計が進んでいます。こういった市場でエンタープライズスタートアップが存在感を発揮している、とのことでした。
モデレータの西村氏(TechCrunch編集長)からの「日本ではいまいちブレイクしていないのはなぜか?」との質問に対し、Doll Capital Managementの本多氏は「数年前まではスタートアップコンテストなどもエントリーのほとんどはB2Cだったが、いまはB2Bが半数近くを占めるようにもなった。ブレイクしていないように見えるのはまだ大型Exitが生まれていないからでは」とのコメント。国内でも確実にB2Bベンチャーの波は来ているようです。
また、多くの海外VCが数年毎という短期で日本市場からの撤退・再進出を繰り返しているような現状を指摘し、Salesforce Venturesにはぜひ長期的な視点での投資活動を続けていってほしい、という本多氏のコメントには多くの参加者が頷いていました。
出資先一覧の中には、イノーバの名前も
Salesforce Ventures出資先スタートアップ3社によるパネルディスカッション
プログラム後半はSalesforce Venturesの国内出資先3社が登壇してのパネルディスカッション。「名刺管理」という課題の解決に特化し成長を続けるSansan株式会社、税理士向けに特化し、それまでなかった「税務のクラウドサービス」を展開するアカウンティング・サース・ジャパン株式会社、そしてコンテンツマーケティングを展開する弊社イノーバが登壇し、各社の事業紹介やセールスフォース社からの出資を受け入れた経緯、今後の展望などについてディスカッションを行いました。
目指すは”紙の名刺による名刺交換”のリプレイス- Sansan株式会社
「人類史上誰よりも名刺交換のことを考えている自信があります」というSansan株式会社代表寺田氏。コンシュマー向けの”eight”、エンタープライズ向けの”Sansan”を展開する同社のサービスの強みは”人による手入力”であること。当然その分コストもかかり、オペレーションも複雑になりますが、”eight”は無料サービスです。
「いったい何を目指しているんですか?」とモデレータ西村氏に水を向けられた寺田氏は、「さぁ。。どこにいくんですかねぇ。。」と会場の笑いを誘いつつも、名刺を通じて米国のLinkedInのようなプロフェッショナルネットワークを目指すというビジョンを披露。「ビジネスのプロフィールのコアは名刺。Facebookはプライベートもビジネスも一つのプラットフォームで、という考え方だが、本質的にその二つはわかれているもの。eightの理想は”紙の名刺”と”名刺交換”のリプレイス。」と語りました。
また、Salesforceとの関係については、”Sansan”という「名刺箱」に溜まっていくリード情報をSalesforceで管理することで顧客に提供できる価値が高まる、と親和性の高さをアピールしていました。
「イノベーションのジレンマ」がベンチャーを立ち上げたキッカケ- 株式会社イノーバ
続いて質問を受けたイノーバ代表宗像は、「出資を受ける際の事業プレゼンの時に、(コンテンツマーケティング市場の)マーケットの将来性について話し始めたら説明を遮られたんです。それはもうわかっているから、って。市場についても事業内容についても、非常によく理解していただいているのが大きい。」と、Salesforce社から出資を受けた時のエピソードを披露。
一方で、アメリカではすでにこのセグメントのスタートアップが1000社以上あり、これから増えていくことが予想される日本での成功のカギはスピードであるとの考えを語りました。
大企業を辞めてベンチャーをはじめたキッカケについて質問された宗像は、約10年間勤めた富士通を辞めたことが大きな意思決定だったと明かし、イノベーションの速い分野に身を置きながら、イノベーションを起こすことと既存のビジネスを守ること、いわゆる「大企業におけるイノベーションのジレンマ」がフラストレーションだったと語りました。自分のスピードでイノベーションを実現していきたい、と思ったことがベンチャーを立ち上げたキッカケ、という話には他の登壇者の方々も頷いていたのが印象的でした。
常に全社が“炎上中”- 大企業とベンチャーの居酒屋トークの違い
続いてモデレータの西村氏が宗像に尋ねたのが、”大企業とベンチャー企業の違い”について。これに対して宗像は居酒屋での会話内容を引き合いに出し、企業は大きくなるにつれて顧客ではなく競合を見始め、社内を見始め、いつしか身内の話や愚痴ばかりを話すようになってしまう。ベンチャーは良くも悪くも、仕事と遊びの区別がつかないような楽しさの中、プロダクトの話や事業の話をメンバーが本気でぶつけ合えるのが醍醐味であると語りました。
急成長中の組織を率いるストレスについての質問に対しては、直面する全ての事が初めて、という日々の中、メンバーから「社長には戦略がない!」と詰め寄られた、というエピソードを披露。組織が大きくなるにつれて常々伝えていると思っていたことが浸透していなかったり、といった状況を「ある意味、常に全社が”炎上”しているような状態。」と表現し、会場の笑いを誘っていました。(と書いている筆者は笑えないのですが…)
最後に、Salesforce社からの出資を受けたことについて宗像は、「Salesforceのプラットフォーム活用はまず前提として」と前置きした上で、先日サンフランシスコで開催されたSalesforce社主催イベント”Dreamforce”に参加した際の同社会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏に触れ、「極めてヴィジョナリー。五年後の世界を垣間見せてくれる。五年後には八割の社員がオフィス外で仕事をしている世の中になっているかも。そんな人々の生活や仕事を変えていくようなイノベーションを一緒に起こしていけるのが最大の魅力。」と語り、パネルディスカッションを終えました。
現在Salesforce Venturesが投資する国内ベンチャーは20社ほど。
多くがクラウドを活用してビジネスを立ち上げています。”ネットとマーケティングの力で企業とビジネスをエンパワーしていく”ことをミッションとするイノーバは、これからもコンテンツマーケティングで人々を幸せにすべく邁進していきます!
米国セールスフォース・ドットコム上級副社長ジョーン・ソモルジャイ氏
株式会社セールスフォース・ドットコム倉林氏とともに。
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