2014年版メアリー・ミーカーレポートに学ぶネットの7つのトレンドとは?

デジタルマーケティング
今年もクライナーパーキンスよりインターネットトレンドに関するレポートが発表された。作成者はMary Meeker。その調査力と鋭い分析からインターネットの女王と称される人物だ。今回のレポートは164ページにもわたる力作となっているが、僕が読んで、面白いと思ったポイントを速報としてご紹介したい。
目次
1 まだまだ伸びるスマートフォン
最初にこちらのスライドから見ていこう。グローバルのスマートフォンの利用者は年率20%で伸びている。携帯全体に占める割合は30%で、まだまだ伸びる余地を残している。サービスを考える際に、モバイルファーストで考える必要性がある事を再認識させられるデータだ。
2 モバイル広告に巨大なビジネスチャンス
次にこちらのスライドを紹介しよう。米国におけるメディア消費の媒体別のシェアと広告費のシェアを比較したものだ。一番右のモバイルのグラフが面白い。モバイルのメディア消費は全体の20%であるにも関わらず、広告費のシェアはわずか4%。潜在的に30Bドル、3兆円相当の市場があると指摘されている。
一方、紙のメディアはま逆の結果が出ている。メディア消費のシェアがわずか5%に対して、広告費のシェアは19%。米国では、紙のメディアの苦戦が伝えられているが、今後も苦戦が続く事が予想される。先日、New York Timesの社内レポートが流出していたが、紙のメディアは、真剣にネット化に取り組まないと死活問題となっている事が良くわかる。
3 サービス化していくモバイルアプリ
次は、こちらのスライドを見て欲しい。一枚目はモバイルアプリと従来型のウェブアプリを比較したものだ。Facebookに代表されるように従来のウェブアプリは、ソーシャルグラフを軸として複数の機能を提供しているのが特徴だった。モバイルアプリ時代では、写真、メッセージ、画像、電話などの機能が切り出されて単機能のアプリとなっているのが特徴だ。モバイルのサービスを考える時にはいかにシンプルに機能を絞り込むかが重要な要素だという事が判る。
次にこちらの資料を見てみよう。テッククランチのマシュー・パンザリーノの言葉が紹介されている。ユーザーがアプリを起動しなくても、アプリ自身が勝手に情報を収集分析し、サービスを提供する時代になっているという指摘である。キーとなるのは、スマートフォンのセンサー、位置情報、利用履歴、予測分析アルゴリズム(Predictive Analysis)等の技術である。EvernoteのCEOも指摘している通り、アプリのサービス化は要注意のトレンドだ。
4 バイラル化していくオンラインメディア
次にこちらのスライドをご覧頂きたい。FacebookやTwitterでシェアされているニュースのランキングだ。最近話題のバイラルメディア、BuzzFeedの他、HuffingtonPostや、ABCニュースなどが名前を連ねている。ニュースがソーシャルで消費されるのが一般化しつつある中で、メディアもバイラル化しつつある様子が見て取れる。
5 Eコマースの成功方程式、コンテンツ、コミュニティ、コマース
このフレームワークは、すごく参考になるので、是非抑えておいて欲しい。今後伸びていくEコマースの形として、コンテンツ+コミュニティ+コマースの形が提示されている。コンテンツは、ユーザーがアップロードするCGM型とプロが作るエディトリアル型のもの。ユーザー同士が交流するコミュニティ。そして、コミュニティやコンテンツとシームレースに統合された形でのコマース体験である。
具体例として、住宅のデザインやリノベーションに特化したEコマースサービス Houzz が提供されている。米国では、Amazon対抗で新しいEコマースの形が色々出て来ているが、共通点は、コンテンツ、コミュニティとの融合だ。日本でもこのような形のEコマースが当たり前になる時代が来るだろう。
6 動画!動画!動画!
最後に紹介したいのは、動画のトレンドだ。Youtubeに代表する動画メディアが大きく成長してきていて、そこで活躍するYoutuber達が登場したり、Youtube向けに最適化された動画CMが登場しているという話。日本でも急成長が伝えられる動画広告。世界的に目が離せない状況が続きそうだ。
7 中国がモバイルの最先端に!
最後に、中国の話を紹介されている。WeChat上で様々なサービスが提供されていて、中国は完全にモバイル先進国の地位を確立しつつある。日本は、かつてi-modeで世界最先端を走っていたが、今後は中国のモバイルサービスを研究する事が必要になるだろう。
おまけ!ヘリコプター+ウェアラブルがもたらす世界とは?
最後に面白いスライドがあったので紹介しよう。ウェアラブル端末のオキュラスと小型ヘリコプターのドローンを接続して、ライブストリーミングを提供しようというアイディアだ。ハードウェアの進化が進み、ネットでリアルタイムに繋がる事で、いままでに無かったサービスが提供できる良い例だ。頭を柔らかくして新しいサービスを考えていく必要があるだろう。
まとめ
どうだろう?なかなか面白いレポートだったのではないだろうか?個人的には、モバイル広告、コンテンツxコミュニティの新型コマース、中国のモバイルサービスなどが気になっているテーマだ。レポートには、分量が多くてこの記事では紹介しきれていないテーマもたくさん掲載されている。ぜひ、オリジナルのスライドを見て、新しいビジネスのアイディアを探ってもらいたい。
画像の出典:wikipediaのクリエイティブコモンズ画像より。
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